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02月29日-一般質問及び質疑(追加代表)-05号

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  1. 福島県議会 2016-02-29
    02月29日-一般質問及び質疑(追加代表)-05号


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    最終取得日: 2023-06-08
    平成28年  2月 定例会平成28年2月29日(月曜日) 午後1時1分開議 午後4時37分散会議 事 日 程   午後1時開議 1、日程第1、県の一般事務に関する質問 2、日程第2、知事提出議案第1号から第185号までに対する質疑 3、日程第3、休会の件本日の会議に付した事件 1、議長提出報告第7号 2、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第185号  までに対する質疑 3、休会の件出 席 議 員     1番 坂 本 竜太郎 君   2番 佐 藤 義 憲 君     3番 高 宮 光 敏 君   4番 杉 山 純 一 君     5番 宮 川 政 夫 君   6番 矢 島 義 謙 君     7番 伊 藤 達 也 君   8番 橋 本   徹 君     9番 鳥 居 作 弥 君  10番 大 場 秀 樹 君    11番 渡 部 優 生 君  12番 三 瓶 正 栄 君    13番 吉 田 英 策 君  14番 鈴 木   智 君    15番 佐 藤 雅 裕 君  16番 本 田 仁 一 君    17番 遊 佐 久 男 君  18番 矢 吹 貢 一 君    19番 星   公 正 君  20番 安 部 泰 男 君    21番 水 野 さちこ 君  22番 椎 根 健 雄 君    23番 佐久間 俊 男 君  24番 紺 野 長 人 君    25番 宮 本 しづえ 君  26番 宮 川 えみ子 君    27番 山 田 平四郎 君  28番 小 林 昭 一 君    29番 西 山 尚 利 君  30番 勅使河原 正之 君    31番 長 尾 トモ子 君  32番 桜 田 葉 子 君    33番 今 井 久 敏 君  34番 髙 野 光 二 君    35番 円 谷 健 市 君  36番 古 市 三 久 君    37番 高 橋 秀 樹 君  38番 阿 部 裕美子 君    39番 柳 沼 純 子 君  40番 渡 辺 義 信 君    41番 吉 田 栄 光 君  42番 満 山 喜 一 君    43番 佐 藤 金 正 君  44番 太 田 光 秋 君    45番 川 田 昌 成 君  46番 宮 下 雅 志 君    47番 亀 岡 義 尚 君  48番 三 村 博 昭 君    49番 神 山 悦 子 君  50番 斎 藤 健 治 君    51番 斎 藤 勝 利 君  52番 佐 藤 憲 保 君    53番 遠 藤 忠 一 君  54番 小桧山 善 継 君    55番 青 木   稔 君  56番 宗 方   保 君    57番 西 丸 武 進 君  58番 瓜 生 信一郞 君説明のため出席した者 県       知     事     内  堀  雅  雄  君       副  知  事     鈴  木  正  晃  君       副  知  事     畠     利  行  君       総 務 部 長     藤  島  初  男  君       危 機 管理部長     樵     隆  男  君       企 画 調整部長     近  藤  貴  幸  君       生 活 環境部長     長 谷 川  哲  也  君       保 健 福祉部長     鈴  木  淳  一  君       商 工 労働部長     飯  塚  俊  二  君       農 林 水産部長     小  野  和  彦  君       土 木 部 長     大 河 原     聡  君       会 計 管 理 者     鈴  木  千 賀 子  君       出納局長(兼)     鈴  木  千 賀 子  君       原子力損害対策     成  田  良  洋  君       担 当 理 事       企 画 調 整 部     伊  藤  泰  夫  君       避 難 地 域       復 興 局 長       企 画 調 整 部     篠  木  敏  明  君       文 化 スポーツ       局     長       保 健 福 祉 部     尾  形  淳  一  君       こども未来局長       商 工 労 働 部     橋  本  明  良  君       観 光 交流局長       総 務 部政策監     佐  藤  宏  隆  君       風 評 ・ 風 化     野  地     誠  君       対 策 監 兼       知 事 公 室 長       総 務 部 参 事     佐  藤     隆  君 総  務  部       総務課長(兼)     佐  藤     隆  君       秘 書 課 長     久  保  克  昌  君       総 務 部 主 幹     小  林  弘  文  君 企  業  局       企 業 局 長     鈴  木  清  昭  君 病  院  局       病院事業管理者     丹  羽  真  一  君       病 院 局 長     佐  竹     浩  君 教 育 委 員 会       委  員  長     蜂 須 賀  禮  子  君       教  育  長     杉     昭  重  君 選挙管理委員会       委  員  長     菊  地  俊  彦  君       事 務 局 長     林     昭  彦  君 人 事 委 員 会       委  員  長     今  野  順  夫  君       事 務 局 長     須  藤  浩  光  君 公 安 委 員 会       委     員     森  岡  幸  江  君       警 察 本 部 長     石  田  勝  彦  君 労 働 委 員 会       事 務 局 長     佐 久 間  弘  之  君 監 査 委 員       監 査 委 員     美  馬  武 千 代  君       事 務 局 長     石  本     健  君 議会事務局職員       事 務 局 長     熊  本  俊  博  君       事 務 局 次 長     水  野  成  夫  君       事 務 局参事兼     高  玉     薫  君       総 務 課 長       議 事 課 長     角  田     仁  君       政 務 調査課長     星     貴  文  君       議事課課長補佐     坂  上  宏  満  君       議 事 課 主 査     二  瓶  倫  子  君       議 事 課委員会     富  塚     誠  君       係     長                   午後1時1分開議 ○議長(杉山純一君) ただいま出席議員が定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。 △議長提出報告第7号 ○議長(杉山純一君) この際、議長より報告第7号を提出いたします。                   (参  照) △県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第185号までに対する質疑 ○議長(杉山純一君) これより日程に入ります。 日程第1及び日程第2を一括し、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第185号まで、以上の各案に対する質疑をあわせて行います。 通告により発言を許します。19番星公正君。(拍手)    (19番星 公正君登壇) ◆19番(星公正君) 自由民主党議員会の星公正であります。会派を代表して追加代表質問をさせていただきます。 原発事故を伴う未曽有の大災害から間もなく5年が経過しますが、避難指示等により、いまだ10万人近くの住民が避難を続けている状況にあります。 また、先日、ソウルにおける復興イベントが急遽中止されましたが、このことは残念ながら依然として風評被害が根強くあることを私たちに印象づけました。このほか、長期にわたる汚染水・廃炉問題など、本県の復興に向けた課題は山積しております。 知事も本議会の所信表明において「福島の復興に向けた戦いは長い時間がかかるが、復興・創生期間であるこれからの5年間が正念場となる。」とおっしゃっておりましたが、まさにこの5年間は県としても成果を上げていかなければならない時期であり、そのためには県民一丸となって復興を進めていかなければなりません。 以下、通告に従い質問させていただきます。 避難地域においては、既に避難指示が解除された区域、除染やインフラ復旧等の帰還に向けた環境整備を進める区域、帰還困難区域を抱えて長期避難を余儀なくされている区域など、それぞれ置かれた状況はさまざまであります。 そのような中、知事も委員として参画された福島12市町村の将来像に関する有識者検討会においては、当面2020年までになすべきことを提言として取りまとめられましたが、これは新年度から始まる復興・創生期間のあり方ともかかわってくると思います。 そこで、この復興・創生期間において避難地域の復興・再生をどのように進めていくのか、知事の考えをお尋ねします。 次に、イノベーション・コースト構想についてであります。 イノベーション・コースト構想は、廃炉に係る研究開発拠点やロボット開発・実証拠点、国際産学連携拠点等の整備による新たな産業の創出と集積はもちろん、地域に根づいた基幹産業である農林水産業についても、先端技術の導入や食用以外の作物の転換などにも取り組みながら、その再生を目指す意欲的なものであり、壊滅的な被害を受けた浜通りにとって地域の復興の起爆剤となる夢と希望のプロジェクトであるため、構想の実現に対する期待と機運が高まっております。 昨年6月に各プロジェクトの具体的な内容や工程が取りまとめられ、楢葉町のモックアップ試験施設、南相馬市等におけるドローンの実証など、さまざまな取り組みが進んでおり、平成28年度予算には構想の中核となるロボットテストフィールド等の整備費が盛り込まれるなど、拠点整備がいよいよ本格的に動き出すところであります。 私は、こうした拠点整備を初めとする構想の推進によって浜通りがどのように再生していくのかを具体的に示し、避難者や事業者が夢と希望に向かって挑戦できるようにすることが重要であり、それが住民の方々の帰還につながっていくものと考えております。 そこで、知事はイノベーション・コースト構想によって浜通りの再生をどのように進めていくのかお尋ねいたします。 次に、復興予算についてであります。 国はこれまで5年間の集中復興期間から新たなステージとして復興・創生期間の5年間に移行するとしました。しかし、原子力災害に直面している本県は引き続き除染、県民の健康、子育て、教育、産業、雇用、インフラ整備はもとより、特にイノベーション・コースト構想を初めこれから本格化する浜通りの復興や根強い風評への対応など必要な施策をさらに確実に進めていかなければなりません。そのためには復興・創生期間において必要な財源が確実に確保されることが極めて重要であります。 そこで、県は復興・創生期間の復興財源の確保にどのように取り組むのかお尋ねします。 次に、ふくしま創生総合戦略についてであります。 県では昨年末、福島県人口ビジョンで掲げた「2040年に160万人程度の確保を目指す」とする人口目標の実現に向け、具体の施策を取りまとめたふくしま創生総合戦略を公表しました。 その中で、仕事づくりを初めとする7つの重点プロジェクトを掲げ、今年度からの5年間で特に重点的かつ集中的に取り組んでいくとしておりますが、限られた戦略期間で最大限の成果を上げるためには、結果重視の視点が重要であり、今後事業の推進と並行して効果を検証する仕組みが必要不可欠であると考えます。 そこで、ふくしま創生総合戦略の推進に当たり施策の検証をどのように行っていくのか、県の考えをお尋ねいたします。 次に、危機管理体制についてであります。 近年、全国各地で台風や集中豪雨による水害、土砂災害や火山噴火などの大規模な自然災害が多発しております。また、災害以外にも先月起きた北朝鮮によるミサイル発射のような武力攻撃など、県民に大きな影響を与えかねないさまざまな危機事象が発生しております。 県は今年度新たに危機管理部を設置したところですが、さまざまな危機事象に対し県民の安全・安心を確保するためには、危機管理部だけではなく、県の組織が一丸となって取り組む必要があるのではないでしょうか。 そこで、さまざまな危機事象に的確に対応していくため県の危機管理体制を強化すべきと思いますが、考えをお尋ねいたします。 次に、消防団の充実強化についてであります。 東日本大震災から間もなく5年を迎えようとする現在でも10万人近い方々が避難を余儀なくされておりますが、このような方々の帰還を促進し、復興を前に進めていくためにも、災害に強い県土づくりを推進し、県民の安全・安心をしっかりと確保していくことが何よりも重要であると考えます。 このような中、地域防災力の中核と位置づけられる消防団は本県では3万4,000人余りと常備消防の14倍の規模を有し、地域の防火防災活動はもとより、そのマンパワーによって、東日本大震災でも住民の避難誘導、避難所の運営、行方不明者の捜索などに大きな力を発揮してきたところでありまして、地域社会の安全・安心のため、なくてはならない重要な存在でありますが、近年減少し続けている状況にあります。 そこで、県は消防団の充実強化にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、復興公営住宅コミュニティーづくりについてであります。 避難生活が長期化する中、避難されている方々の復興公営住宅への入居が進んでおります。復興公営住宅の入居者に対しては、新たな環境の中で孤立することなく生活していけるよう、入居先でのコミュニティーの形成が必要であります。 復興公営住宅も最初に入居した方々は入居から1年が過ぎておりますが、入居者の自治会が立ち上がってきている一方で、自治会活動に参加しない方もいると聞いております。避難先というなじみのない環境にあって、入居者が孤立せずに暮らすことができるよう支援することが求められております。コミュニティー形成を通じ、入居者への支援をますます充実させていく必要があると感じております。 そこで、県は復興公営住宅入居者コミュニティーづくりをどのように充実させていくのかお尋ねします。 次に、原子力損害賠償についてであります。 政府は、昨年6月に閣議決定した福島復興指針に基づき、福島の復興・再生を一層加速していくため、除染の十分な実施、インフラや生活に密着したサービスの復旧に取り組むとともに、事業、なりわいや生活の再建、自立に向けた支援事業の展開を前提として、避難指示解除準備区域等の精神的損害の追加賠償や商工業等に係る営業損害の賠償についての考え方が示され、その後請求手続が開始されております。 福島の復興再生のためには、被害者の生活、事業再建のための施策が確実に実施されることとあわせ、住民や事業者が置かれている状況を十分に踏まえ、被害の実態に見合った賠償を迅速かつ確実に行わせることが不可欠であります。 そこで、福島の復興再生のため、原子力損害賠償の完全実施に全力で取り組むよう国及び東京電力に求めるべきと思いますが、県の考え方をお尋ねします。 次に、震災及び原子力災害の記録と教訓を継承、発信するアーカイブ拠点施設についてであります。 大震災から5年近くが経過しても、いまだに原子力発電所事故への対応についてはさまざまな課題が山積したままとなっております。このような中、私はさまざまな場面で来県者や県民の御意見を伺う機会がありますが、多くの方が事故を起こした原子力発電所の現在の状況や廃炉作業の進捗状況を知りたいと考えていることを感じております。 アーカイブ拠点施設については、県の有識者会議で取りまとめられた報告書において、「未来への継承.世界との共有」、「防災・減災」、「復興の加速化への寄与」の3つの基本理念が掲げられております。 私は、アーカイブ拠点施設が災害の記憶を伝えていくことにとどまらず、原発事故を含めた被災地域を取り巻く状況について情報を発信し、被災者の方々の思いを酌み取った上で被災地域復興の拠点となり、被災地域及び本県の未来図を描く役割を担うことを期待しております。 そこで、県はアーカイブ拠点施設の整備をどのように進めていくのかお尋ねします。 次に、仮置き場の適正な管理についてであります。 本県の復興再生には、放射性物質に汚染された環境を回復することが大前提であり、そのための除染を着実に進めていくことが重要です。 現在、市町村除染は着実に進捗しているとのことですが、除染に伴って生じた除去土壌等は中間貯蔵施設へ搬出されるまでの間、仮置き場で一時的に保管されることとなります。 しかし、中間貯蔵施設の整備が思うように進んでおらず、今後も多くの仮置き場では除去土壌等の保管を継続していかなければならない懸念があり、地域住民の安全・安心に資するため、仮置き場を適正に管理することが重要と考えております。 そこで、県は市町村除染における仮置き場の適正管理にどのように取り組んでいるのかお尋ねします。 次に、創薬拠点の整備についてであります。 県は昨年12月に策定した第3次福島県復興計画の新産業創造プロジェクトの1つとして創薬拠点の整備を掲げております。全国に誇れる健康長寿県の実現やがん医療の向上には、創薬産業の振興は大変重要であります。また、創薬産業の振興は県民の医療の質の向上を図るのみならず、雇用創出も生み出すものと考えております。 現在福島県立医科大学において医療-産業トランスレーショナルリサーチセンターの整備が進められておりますが、同センターは本県の創薬産業の振興に大きく寄与するものと考えております。 そこで、県は医療-産業トランスレーショナルリサーチセンターを活用し、創薬産業の振興にどのように取り組むのかお尋ねします。 次に、日銀のマイナス金利の導入についてであります。 日本銀行は1月29日、政策委員会・金融政策決定会合において、2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するためにマイナス金利つき量的・質的金融緩和を導入することを決定し、2月16日から金融機関が保有する日本銀行当座預金の一部にマイナス0.1%のマイナス金利を適用しました。 これにより、県内の金融機関でも預金金利を引き下げる動きが出てきているほか、大手銀行を初め住宅ローン金利を引き下げる金融機関がふえている状況にあります。 県では県制度資金によって中小企業の資金繰りを支援しているところですが、日銀のマイナス金利の導入に伴う県制度資金の対応について県の考えをお尋ねします。 また、県においては震災後、予算の増大に伴い、歳計現金や基金現金が多額になっております。現在各金融機関へ定期性預金で3,500億円規模の運用を行っていると聞いておりますが、今後各金融機関の預金利率の引き下げにより運用益が減少することが考えられます。 そこで、県は日銀のマイナス金利の導入に伴い、歳計現金及び基金現金の保管や運用をどのように行うのかお尋ねします。 次に、教育旅行の回復についてであります。 本県の観光につきましては、県全域で実施しているデスティネーションキャンペーンの効果などもあり、観光客入り込み数は震災前の約8割まで回復が進んでいると聞いています。しかしながら、その中でも教育旅行については震災による風評の影響が特に大きくあらわれているところであり、延べ宿泊数は震災前の約半分までの回復にとどまっております。 教育旅行は、子供たちに福島の姿や魅力を実感してもらうとともに、将来福島を訪れてくれるファンをふやす大変重要な取り組みであり、その回復は本県の復興にとっても大きな課題と言えます。 そこで、県は教育旅行の回復に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、GAPの推進についてであります。 県は農林水産物の安全・安心を確保するため、原発事故以降、徹底した放射性物質対策モニタリング検査等を実施してまいりました。現在基準値を超える農産物はほとんどありませんが、本県産農林水産物に対する風評は根強く、また取引価格の面でも厳しい状況にあります。 私はかねてより、農産物の安全・安心を確保し、客観的に評価する手法としてGAPの取り組みの必要性を訴えてまいりました。知事もミラノ万博において大震災と原発事故からの復興と県産農産物の安全性と魅力を発信しておられ、今後風評を払拭し、輸出も視野に県産農産物の販売力を強化するために、生産段階のGAPの取り組みを積極的に広めていく必要があると考えます。 そこで、県は、農業生産工程管理、いわゆるGAPをどのように推進していくのかお尋ねします。 次に、間伐材の新たな需要の創出についてであります。 本県の森林、特に中山間地域の人工林資源につきましては、戦後、林業に従事する方々が大変な御苦労をされながら造成し、現在に至るまで健全な育成に励んでこられました。そして、これらの森林は今まさに本格的な利用時期を迎え、豊かな蓄積を誇っております。しかしながら、そのようなやさきに発生した原発事故により、間伐などの森林整備が一部停滞するなど森林の荒廃が懸念される状況にあります。 森林が持つさまざまな機能は我々の生活に直結するものであり、これをしっかりと発揮させるためには森林の整備活動を活発化していくことが重要です。このためには、森林整備に向けた林業従事者の意欲喚起を図るため、間伐等で生産される木材をより価値あるものとして利用していく必要があり、建築材料や木質バイオマスとしての燃料利用のほか、間伐材の利用促進を図るための新たな取り組みが必要であると考えます。 そこで、県は間伐材の新たな需要の創出にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、避難指示区域等における公共土木施設の復旧についてであります。 昨年6月に浪江町の避難指示解除準備区域の棚塩地区、請戸中浜地区、浪江中浜地区の3つの海岸において災害復旧事業に着手することとなり、また、避難指示区域道路災害復旧については重要路線の復旧を最大2年前倒しして取り組むことが昨年8月に示されました。 既に一部においては避難指示が解除されておりますが、その区域も含めた避難指示区域等において公共土木施設の復旧が進んでいくことは、避難を余儀なくされている方々のみならず、県としての復興の象徴の1つでもあり、大震災から5年が経過する中、1日も早く完了させ、安心して暮らせる環境を整えることが非常に重要であります。 そこで、県は避難指示区域等における公共土木施設の復旧にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、関東・東北豪雨の道路災害復旧についてであります。 昨年9月に発生した関東・東北豪雨では、記録的な豪雨により県内にも大規模な被害をもたらしました。中でも南会津地域の被害は特に甚大で、同町の舘岩地域では、舘岩小学校と中学校が通学路となっている国道352号の被災により休校を余儀なくされました。被災から6日ぶりに登校した生徒たちは、スクールバスから懸命に復旧作業に取り組む関係者を目の当たりにし、感謝とともに朝の学級活動で今後の災害の備えについて話し合ったと聞いております。 被害が特に大規模だった南会津地域では、関係者が災害復旧に懸命に取り組んでいるとは思いますが、いまだに片側交互通行が続くなど、通学や通勤を初めとする住民の生活や観光への影響は大きいと言わざるを得ません。被災した道路の1日も早い復旧が強く待たれているのであります。 そこで、平成27年9月関東・東北豪雨で被災した南会津地域の県管理道路について、復旧の見通しをお尋ねします。 次に、道の駅についてであります。 飯舘村は、豊かな自然に恵まれた美しい村で、手間暇を惜しまず、丁寧にじっくりとつつましく心を込めてという「までいライフ」をスローガンにこれまで村づくりを進めてまいりました。 現在全村避難を余儀なくされている飯舘村は、道の駅「(仮称)までい館」を復興住宅、集会所、花卉栽培施設、太陽光発電施設等を含めた復興拠点の中心施設として深谷地区に整備し、新たな村づくりを進めております。村民の帰村を促し、村の復興をなし遂げるために、道の駅は重要な役割を担うものと考えております。 そこで、県は飯舘村の道の駅「(仮称)までい館」の整備にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、只見川の河川整備についてであります。 平成23年7月に発生した新潟・福島豪雨から4年7カ月が過ぎました。甚大な被害を受けた只見川は、昨年3月に只見川圏域河川整備計画を変更し、会津坂下町から只見町の5町にわたる24地区の河川整備を推進することとしております。しかし、只見川沿いの地域は過疎化が進んでおり、河川整備によって家屋移転等がなされれば、より一層過疎化が進むのではないかと懸念されます。 また、只見川は豊かな自然を有しており、観光資源となっておりますが、河川整備によって美しい景観が損なわれないような配慮が必要であると考えます。このように、只見川の河川整備は、地域の安全・安心のみならず、只見川沿いの関係自治体の過疎化対策や観光などの地域振興に大きくかかわるものと考えます。 そこで、県は地域振興に配慮して只見川の河川整備を進めるべきと思いますが、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、子供の虫歯対策についてであります。 子供の虫歯対策は、健康づくりの中でも待ったなしの状況です。震災後、本県の子供は原発事故の影響により室内で生活する時間が長くなり、子供のおやつや食生活の乱れなど生活環境の変化から、子供たちの虫歯の状況は全国と比べても非常に悪い状況が続いており、子供たちを取り巻く状況は憂慮すべき事態であります。 私は「子供たちの笑顔なくして本当の福島の復興はない」と考えておりますが、福島の復興を担う子供たちの健康を守るためには、早急に手を打たなければ取り返しのつかないことになるのは明らかであります。 そこで、子供の健康づくりの観点から、県は子供の虫歯予防対策をどのように推進していくのかお尋ねします。 次に、児童生徒の肥満の解消についてであります。 本県の児童生徒につきましては、屋外活動が制限されたことや長引く避難生活に伴う運動不足等により、肥満傾向児の出現率が震災前に比べて高くなっており、平成26年度の学校保健統計調査の結果では、5歳から17歳までの年齢層の多くで都道府県別ワーストワンになっていましたが、今年度はワーストワンがゼロになるなど、これまでの取り組みもあり、若干の改善傾向は見られました。しかしながら、肥満傾向の出現率は依然として高い状況にあります。 子供の肥満は、小児生活習慣病を誘発するほか、成人肥満に移行する割合が70%に達するとも言われていることから、肥満の解消に向けて、家庭での取り組みはもとより、学校においても取り組んでいくことが重要であります。 そこで、県教育委員会は児童生徒の肥満解消にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、県立高等学校における政治的中立性の確保についてであります。 昨年6月に成立した改正公職選挙法に基づき、本年夏の参議院議員通常選挙から高校生も投票が可能となる見込みであります。 今後各学校では、選挙管理委員会、選挙啓発団体、議会事務局等と連携することにより、学校現場の負担の軽減化を図りながら主権者教育を充実していくことが一層期待されますが、特に学校現場においては、いかに政治的な中立を保って教育を行うかについて、これまで以上に留意しながら指導を行う必要があります。 そこで、県立高等学校における政治的中立性の確保にどのように取り組んでいるのかお尋ねします。 以上、質問を終わります。(拍手) ○議長(杉山純一君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 星議員の御質問にお答えいたします。 避難地域の復興再生についてであります。 震災から間もなく5年を迎えようとする中、私は避難地域に直接赴き、現地で市町村長や地元の方々との意見交換を重ねてきております。 地域の現状は、インフラ復旧等が進展したところ、避難指示が解除された市町村などがある一方、震災直後のままの地域もあり、光と影が交錯していることを目の当たりにし、ともり始めた光をよりふやし、大きくしていかなければならないとの決意を新たにしたところであります。 そのため、復興・創生期間の初年度である平成28年度はまさに正念場となることから、将来像の提言や第3次復興計画に基づき、県立医科大学と連携した双葉地域の2次救急医療体制の構築を初め、暮らしに不可欠な商業機能の整備、市町村が計画する復興拠点に対する支援のほか、官民合同チームによる事業や営農再開支援、新産業の創出・集積、さらには雇用の創出等を図ることで、住民の皆さんが安心して暮らせる地域、そして多くの方々に移住してもらえるような地域を目指し、避難地域の復興再生に力を尽くしてまいります。 次に、イノベーション・コースト構想につきましては、原子力災害からの復興に不可欠な廃炉技術の確立を初め、ロボット関連産業等の新産業の創出などにより、失われた産業基盤や雇用の回復を目指す浜通り再生の原動力となるものであり、政府の骨太の方針や避難地域の将来像に明確に位置づけられるとともに、昨年末に策定した第3次復興計画において新たな重点プロジェクトとして関連事業を盛り込んだところであります。 新年度は、楢葉遠隔技術開発センター試験棟の本格運用を初め廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟、ロボットテストフィールド及び国際産学官共同利用施設の整備の本格化など、構想が大きく動き出す重要な年であります。 こうした国内外の英知を結集する各拠点の早期かつ着実な整備を進めるとともに、ロボットやエネルギー関連産業等の集積、先端技術を導入した農林水産業の再生、さらには研究者やその家族などにとって利便性の高い生活環境の整備も進め、世界が注目する2020年東京オリンピック・パラリンピックを視野に、新産業の集積と既存産業の再生が図られる世界のモデルとなるような先進的で魅力的な浜通りの再生に全力で取り組んでまいる考えであります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。    (危機管理部長樵 隆男君登壇) ◎危機管理部長(樵隆男君) お答えいたします。 県の危機管理体制につきましては、危機管理部設置以降、火山性ガスによるスカイラインの通行どめや関東・東北豪雨、除染作業員の救助要請、北朝鮮によるミサイル発射等に対して市町村や関係機関と連携して対応したほか、ドローンやサイバーテロ、インフルエンザの感染拡大などについて、危機管理室員会議での情報共有と対応に努めてまいりました。 新年度には、危機管理課に新たに危機管理担当主幹を配置するほか、県警察との人事交流を進めるなど、危機管理体制の一層の強化を図ってまいる考えであります。 次に、消防団の充実強化につきましては、消防団員の約8割が被雇用者であることから、今年度は160カ所の事業所等を訪問し、消防団活動への理解を促進するとともに、OB団員が火災の初期消火や災害時に活動する機能別消防団員制度の導入及び女性の入団を促進するため、方部別研修会の開催や市町村への訪問活動などを継続してまいります。 さらに、今年度は13校で実施した高校生を対象とする消防防災出前講座の開催や地方公務員入団促進の広報啓発活動を引き続き実施することにより、消防団の充実強化に積極的に取り組んでまいります。    (企画調整部長近藤貴幸君登壇) ◎企画調整部長(近藤貴幸君) お答えいたします。 復興財源の確保につきましては、複合災害に見舞われた本県の復興を確実かつ中長期にわたり進める上で不可欠であります。 国と粘り強く協議した結果、復興・創生期間においては、被災地全体で6.5兆円程度の復興財源が確保されたところであり、うち本県分は、東京電力求償対象経費を除き、2.3兆円にイノベーション・コースト構想関連経費を加えた財源が見込まれております。 県といたしましては、この枠組みを前提に福島復興再生協議会等さまざまな機会を捉えて本県の実情を訴え、毎年度の財源確保をしっかりと進めてまいる考えであります。 次に、ふくしま創生総合戦略に係る施策の検証につきましては、重点プロジェクトの具体的な施策ごとに設定した指標をもとに毎年度効果を検証し、必要に応じて施策.事業の改善や追加、廃止などを行うPDCAサイクルを構築し、優良モデルを数多く積み上げ、県内各地への波及を目指してまいります。 検証に当たりましては、内部評価のみならず、産業界や大学、金融機関などの有識者で構成される検証体制を設け、外部の視点も加え、不断の見直しを通じ、より実効性のある施策展開を図ってまいります。    (生活環境部長長谷川哲也君登壇) ◎生活環境部長(長谷川哲也君) お答えいたします。 仮置き場の適正管理につきましては、国の除染関係ガイドラインや県の仮置場等技術指針を踏まえ、市町村と連携して現地調査を実施しており、本年度は保管期間の延長などに対応するため、パイロット輸送時を含め、調査回数をふやすなど状況確認の強化を図っているところであります。 また、保管期間の延長のほか、安全な搬出や原状復旧などに対応するため、現地調査の結果を踏まえ、市町村の意見を伺いながら仮置場等技術指針を来月改定するなど、引き続き関係機関と連携して仮置き場の適正管理に取り組んでまいります。    (保健福祉部長鈴木淳一君登壇) ◎保健福祉部長(鈴木淳一君) お答えいたします。 子供の虫歯予防対策につきましては、歯磨きや食事指導、虫歯の多い子供の個別指導などに取り組んでまいりましたが、虫歯のある6歳児の割合が全国最下位となるなど依然として改善が見られないことに強い危機感を持っております。 このため新年度は新たに、集団での実施により継続性が担保され、安全性が高く確実な効果が得られるフッ化物洗口の普及に取り組むなど、市町村や県教育委員会、県歯科医師会等と一体となって、学校関係者や保護者の理解を得ながら子供の虫歯予防対策を一層強化してまいる考えであります。    (商工労働部長飯塚俊二君登壇) ◎商工労働部長(飯塚俊二君) お答えいたします。 医療-産業トランスレーショナルリサーチセンターにつきましては、本年夏の新棟の完成を目指し、現在県立医科大学内に施設の整備を進めております。 同センターでは、県内外の企業等と連携し、既にがん診断・治療薬等の開発支援や最先端の遺伝子解析等の研究に取り組んでおり、本県に事業所を開設するベンチャー企業もあらわれてきております。 今後とも県立医科大学と連携し、成果報告会の開催や企業とのマッチングに努め、創薬関連産業の振興を図ってまいります。 次に、県制度資金の対応につきましては、これまでも商工団体及び金融機関等からの意見、中小企業のニーズやその時々の経済情勢を踏まえながら、ふくしま復興特別資金等の新たな資金の創設や金利の見直しなど必要な改定を随時行ってきたところであります。 今般の日銀のマイナス金利導入に対しましては、県内金融機関の貸出金利の動向や他県の制度資金の金利水準、中小企業の資金需要なども考慮しながら、県制度資金の金利の見直しについて慎重に検討してまいる考えであります。    (農林水産部長小野和彦君登壇) ◎農林水産部長(小野和彦君) お答えいたします。 農業生産工程管理、いわゆるGAPの推進につきましては、風評払拭はもとより、TPP協定の合意を踏まえ、激化する国内外の産地間競争で優位性を確保する上でも有効であることから、実践する産地のさらなる拡大と取り組み内容のレベルアップを図ってまいります。 また、東京オリンピック・パラリンピックへの食材の供給を目指し、農産物の安全性をより客観的に消費者や流通業者にアピールできるよう、第三者の認証によるGAPの取得に向けた取り組みを支援してまいります。 次に、間伐材の新たな需要の創出につきましては、引き続き木材製品の付加価値を高めるため、集成材などの建築部材の開発・実証や木材加工施設の整備を支援してまいります。 また、土木工事や家電製品、遊具、工芸品などへの新たな活用を目指し、民間から企画を募り開発への支援を行うなど、木材製品の幅広い利用促進に努めてまいります。    (土木部長大河原 聡君登壇) ◎土木部長(大河原聡君) お答えいたします。 公共土木施設の復旧につきましては、平成28年1月末現在、避難指示解除準備区域、居住制限区域等において約54%の箇所で完了しており、平成31年度までに全ての箇所が完了するよう進めてまいります。 さらに、帰還困難区域においては、災害査定を実施した44カ所について平成29年度までの完了を目指すとともに、残る箇所についても町村の復興計画や国が行う除染等との調整を行いながら、早期復旧に向けて取り組んでまいります。 次に、関東・東北豪雨で被災した南会津地域の県管理道路につきましては、幹線道路である国道289号及び国道352号の被災箇所において、迅速な応急復旧工事により全面通行どめを3日で解除し、交通の確保を図ったところであります。 これまでに全8カ所の災害査定を終え、応急復旧を実施した箇所の本復旧も含め、全箇所について平成28年度内の完了を目指し、復旧に取り組んでまいります。 次に、飯舘村の道の駅「(仮称)までい館」につきましては、産業振興や地域福祉の拠点として避難者の帰村後の暮らしを支える極めて重要な施設となることから、これまで基本計画の策定に参画するなど積極的に取り組んできたところであります。 先月、国から重点的な支援を受けられる重点道の駅に選定されたことを踏まえ、県が設置するトイレ等の休憩施設の整備にあわせ、村の工事を一部受託するなど村や関係機関と連携を一層密にしながら、平成29年春のオープンに向け計画的に整備を進めてまいります。 次に、只見川の河川整備につきましては、関係自治体等の意見を取り入れた河川整備計画に基づき進めており、現在地元説明や調査設計を行っているところであります。 事業の実施に当たっては、地域コミュニティー維持のため、堤防の高さまでの宅地かさ上げなどにより家屋移転を極力少なくしたり、観光振興等の観点から、只見川の自然豊かな景観や歴史ある町並みとの調和を図った護岸工法を取り入れるなど、地域振興に十分配慮して取り組んでまいる考えであります。    (会計管理者兼出納局長鈴木千賀子君登壇) ◎会計管理者兼出納局長(鈴木千賀子君) お答えいたします。 歳計現金及び基金現金の保管や運用につきましては、安全性を最優先に指定金融機関等への預金などにより行っているところであります。 今回のマイナス金利の導入に伴う金融機関の預金金利引き下げや国債の利回りの低下などにより、運用益の増加を図ることは難しい状況にありますが、金融情勢に十分留意しながら、より有利な定期性預金の活用など効果的な運用の手法を検討し、引き続き確実な公金管理に努めてまいります。    (原子力損害対策担当理事成田良洋君登壇) ◎原子力損害対策担当理事(成田良洋君) お答えいたします。 原子力発電所事故による損害につきましては、これまで住居確保に係る損害の賠償など被害者の生活再建につながる一定の賠償がなされておりますが、風評による損害への的確な賠償や来年1月以降における農林業の営業損害の賠償に係る考え方の明示など課題も残されているところであります。 県といたしましては、今後も原子力損害対策協議会の活動等を通し、十分な賠償を確実に行うよう国及び東京電力に強く求めてまいります。    (避難地域復興局長伊藤泰夫君登壇) ◎避難地域復興局長(伊藤泰夫君) お答えいたします。 復興公営住宅入居者コミュニティーづくりにつきましては、地域に溶け込み安心して暮らせるようコミュニティ交流員を配置し、交流活動や自治組織の立ち上げなどに対する支援に取り組んでおります。 今後は、同一の交流員が入居者等と信頼関係をしっかりと構築できるよう、複数年度の雇用が可能な契約にするとともに、研修内容の充実により交流員の資質向上に努め、支援団体等と密接に連携した支援を行えるよう体制の強化を図ってまいります。    (文化スポーツ局長篠木敏明君登壇) ◎文化スポーツ局長(篠木敏明君) お答えいたします。 アーカイブ拠点施設につきましては、震災及び原子力災害の記録と教訓を国や世代を越えて継承、共有するとともに、復興の状況を世界に向けて発信し、交流や連携を広げていくなど、復興の拠点としての役割が期待されております。 このため、有識者会議の報告書を踏まえ、新年度に施設の規模や構成、整備スケジュール等を内容とする基本構想を策定することとしており、市町村や関係機関と連携しながら、整備に向けてスピード感を持って取り組んでまいる考えであります。    (観光交流局長橋本明良君登壇)
    ◎観光交流局長(橋本明良君) お答えいたします。 教育旅行の回復につきましては、これまで教育庁と連携し、国や他県等の協力を得ながら、教員や教育関係者の会議、保護者会、各地の学校への誘致キャラバンなどにおいて本県の正確な情報を伝え、誘致への協力を呼びかけてきたほか、今年度より本県を訪れる学校のバス代を支援する助成制度を新たに設けたところであります。 今後は、こうした取り組みを一層進めるとともに、補助条件の緩和や上限額の撤廃等、助成制度を見直すほか、本県を訪れる学校の地元のメディアを招聘し、本県の現状や魅力を発信するなど教育旅行の回復に向けさらに積極的に取り組んでまいります。    (教育長杉 昭重君登壇) ◎教育長(杉昭重君) お答えいたします。 児童生徒の肥満の解消につきましては、望ましい運動習慣や食習慣を確立する取り組みを一体的に進めることが重要であることから、今年度から児童生徒みずからが体力や健康、食習慣の状況を継続記入し、改善につなげる自分手帳を活用するとともに、望ましい食習慣の形成に向けた指導を行う医師等の食育専門家を各学校に派遣してきたところです。 今後は新たに、幼少期から運動への興味、関心を高めさせるため、遊びや運動を通してさまざまな動きを経験させることのできるサポーターを幼稚園等に派遣するなど、肥満の解消に積極的に取り組んでまいります。 次に、政治的中立性につきましては、学校教育に対する国民の信頼を確保する上で重要であることから、公正中立な立場で指導する必要性や留意点を伝えるため、今年度全ての県立高等学校の公民科等の教員を対象とした研修を実施し、教育基本法等の確認を行うとともに、政治的事象を取り扱う場合には幅広く多様な見解を提示することなど具体的な指導を行ったところであり、新年度においても引き続き研修を実施し、政治的中立性の確保に努めてまいります。 ○議長(杉山純一君) これをもって、星公正君の質問を終わります。 通告により発言を許します。36番古市三久君。(拍手)    (36番古市三久君登壇) ◆36番(古市三久君) 民主・県民連合の古市三久です。会派を代表して質問をいたします。 初めに、地方創生についてです。 昨年6月、まち・ひと・しごと創生基本方針2015「ローカル・アベノミクスの実現に向けて」が閣議決定をされました。地方創生の基本方針は、地方創生の深化を目指すとして、ローカル・アベノミクスの実現となっています。背景には、毎年10万人ずつ20代を中心に若者が地方から東京圏へ流出していることがあります。この流れに歯どめをかけるためには、地方に魅力のある職場を生み出す必要があり、そのためにはアベノミクスの効果を地方にも波及させ、経済成長の底上げを図るローカル・アベノミクスを浸透させるということになっています。 厚労省の賃金構造基本統計調査によれば、労働者への決まって支給する現金支給額は、2012年から14年にかけて東京都では3.8%増加しておりますが、全国平均では1.2%の増加にとどまっています。ボーナスは、2011年から13年にかけて東京都は11.4%増加しておりますが、全国平均は2.7%にとどまっています。東京での就職の魅力が高まっているのは明らかであります。主要産業における所定内給与の上昇を東京と全国平均を比較すると、全ての産業で東京の賃金上昇率が全国平均を上回っています。 安倍政権によって実際に推進されているのは、大都市、大企業重視の政策と言わなければなりません。さらに、安倍政権はTPPを推進し、地方経済の柱である農業経営を困難にしています。このように、アベノミクスの第2ステージは効果が見込めないだけではなく、ローカル・アベノミクスにおいても地方経済にとって明るい兆しは見えておりません。 まち・ひと・しごと創生基本方針2015に沿って地方創生にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。 大きな2つ目は、復興・創生期間における復興の取り組みについてです。 東日本大震災から5年目の春を迎えています。いまだに県内外で10万人弱の住民が避難生活を送っています。政府は自治体及び避難住民の帰還を急いでおりますが、原子力災害の特異性もあり、思惑どおりには進んでいません。集中復興期間後の福島の復興再生は、取り残されている原子力災害からの回復と言わなければなりません。 昨年6月に政府が閣議決定した福島復興指針改訂版に掲げた4つの方針の実現に向けた取り組みが求められていると思います。これまでの集中復興期間の取り組みを踏まえ、復興・創生期間の復興の見通しを県民に示す必要があると思います。 知事は、集中復興期間における復興の成果や課題を踏まえ、復興・創生期間の復興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 大きな3番目は、TPPについてです。 昨年10月、アメリカ・アトランタにおいて「守るべきものは守り、攻めるべきものは攻める。」との意気込みで交渉に臨みましたが、日本の数少ない攻めの分野だった自動車はわずか2.5%の乗用車本体関税を撤廃するのに25年を要し、関税削減の開始は15年目からで、14年間は現状維持、トラックは25%の関税を29年間維持し、撤廃は30年目という気の遠くなるような時間を要します。 農産物は、重要5項目、568品目のうち約3割の174品目で無関税を受け入れ、牛肉は73%、豚肉も67%の関税撤廃率になりました。5項目について、再生産可能となるような除外または再協議の対象とする、10年を超える段階的な関税撤廃も含め認めないことを求めた衆参農林水産委員会決議に反することは言うまでもありません。 さらに、関税を撤廃しない農林水産物についても、発効7年後にアメリカ、オーストラリアなど5カ国からの求めがあれば再協議に応じる規定があることが判明しました。 TPPに対する農業支援などをまとめた関連政策大綱は、農業政策の財源についても明確にはなっていません。飼料用米への助成継続は、関税収入の減少が避けられない中で、将来にわたって実効性を担保できるかという重大な懸念が残っています。 米の輸入量がふえ、牛・豚肉の関税削減幅が大きくなるなど、国内農業への影響がより深刻になるのはTPP発効から数年あるいは10年以上たってからであり、対策が本当に必要になるのはそれからです。 関税削減期間中ずっと予算を確保し、長期間にわたって財政支援を担保することが可能なのかが問われています。財政制度審議会が11月、飼料用米を初め転作作物に対する助成削減を求める提言を発表するなど、農業予算抑制は既に始まっています。 TPP協定が成立したら、牛肉、豚肉、卵等も国産の表示ができなくなることが明かになってきました。さらに、ISDS条項があることからも、畜産物、野菜、魚、それらの加工品にも国産の表示ができなくなることも明らかになりました。 このように、食品の安全性は大きく損なわれてしまいます。これは平成の不平等条約と言われるTPPのほんの一こまにすぎません。 そこで、質問いたします。 TPPにより、農産物だけの関税収入は年4,000億円減ることになります。この農産物の関税収入が減る4,000億円について、私たちが負担をすることになります。牛・豚肉が安くなった分、国民が税金でそれを賄うことになります。牛肉についての関税を直接生産者に支払いしている畜産振興交付金1,000億円がなくなります。 そこで、牛肉等の関税収入の減少による本県の畜産振興対策への影響をお尋ねいたします。 農業への補助金そのものがISDS条項の対象になることが今度の協定文で明らかになりました。農業への補助金は除外されておらず、例外事項ではありません。TPPは内国民待遇を定め、相手国の企業を自国民と同じように公平で平等に扱わなければならないとされています。 また、1回のISDS条項の裁判に6億円かかることがわかりました。アグリビジネス大企業にとっては、得られる利益からすれば、6億円の裁判費用は何でもないということであります。国の農業への補助金制度について、ISDS条項により締結国の投資家から提訴されないのかお尋ねいたします。 TPP対策と称した大区画などの圃場整備は、ウルグアイ・ラウンド決着時のように効率化や生産性向上につながらないばらまきになるとの懸念も指摘されています。TPP対策としての国の予算を活用し、大区画化などの圃場整備を進める場合どのような効果があるのか、県の考えをお尋ねいたします。 国は耕作放棄地の固定資産税の課税強化を平成28年度税制改正大綱に盛り込みました。本県は全国1位の耕作放棄地面積があると言われておりますが、県は耕作放棄地の固定資産税の課税強化について、耕作放棄地の解消にどのような効果があると考えているのかお尋ねいたします。 昨年3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画では、飼料用米の10年後の生産努力目標を現状の10倍の110万トンに設定しています。主食用米が減る分のほとんどを飼料用米の増産に回す計算になっています。国内で飼料用米をつくるよう求めている一方で主食用米を輸入拡大することは政策の整合性がないと言わざるを得ません。 TPPで牛肉、豚肉の関税率大幅減、乳製品の低関税輸入枠新設などにより安価な外国産の肉がふえ、飼料用米の受け入れ先である国内の畜産・酪農農家が廃業に追い込まれることになれば、飼料用米推進策も頓挫することになりかねません。 そこで、3点伺います。 1つは、輸入米の流通増加に伴う影響と備蓄米保管後の売却に伴う影響について、県の考えをお尋ねいたします。 2点目、本県の飼料用米について、来年度と10年後の生産面積の目標をお尋ねいたします。 3点目、本県の主食用米と飼料用米について、10年後の生産面積比率の目標をお尋ねいたします。 福島県産米は、原発事故の風評被害などで価格が下がり、業務用に多く流通しています。家庭用米の需要が減る中で、外食等業務用米への販路拡大に取り組んできた稲作農家も少なくありません。 低価格米の輸入米がふえれば、業務用の需要が奪われることも予想されます。低価格輸入米は東日本震災の被災地の農業復興にも影響することが予想されます。県産米の業務用向けの割合について、震災前後でどのように変化しているのかお尋ねいたします。 大きな4番目は、人口減少についてです。 国税庁の民間給与実態調査では、2014年、1年を通して働いても年収200万円以下のワーキングプアが1,139万2,000人に達しています。1,000万を超えるのは9年連続で、全労働者に占める割合は24.0%、4人に1人となります。 また、民間企業で働く非正規雇用者の労働者全体に占める割合は4割になりました。20歳、30歳代の男性で配偶者がいる割合は正規労働者の半分以下という統計もあります。非正規雇用者の増大は少子化の加速、社会保障の縮小という悪循環に陥ることになります。 昨年9月、改正労働者派遣法が成立しました。不安定雇用の拡大につながることは言うまでもありません。待遇改善、安定雇用を置き去りにしたまま非正規雇用をふやせば、安倍政権が掲げる希望出生率1.8の実現は望むべくもなく、今回の派遣法改正は少子化対策に逆行するものと言わなければなりません。人口減少対策として婚姻率を上げるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 婚姻率を上げるためには住宅対策も不可欠であります。 2点お尋ねいたします。 新婚世帯を対象とした県営住宅への優先入居について配慮すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 2つ目は、婚姻率を上げるためには、結婚に伴う住宅確保への経済的支援が必要と思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 地方からの人口流出を食いとめるためには、新卒者にとって魅力的な職場を地元につくり出すことであります。学校基本調査によれば、高卒就職者のうち出身都道府県以外に就職した割合が全国平均の18.4%を大きく上回る県外流出者が見られるのは東北や九州の諸県です。出身地から流出した高卒者の就職先は、東京都が全体の31.4%と圧倒的な比重を占めています。 アベノミクスの進展とともに、全国の高卒県外就職者の東京都への就職割合は2013年3月、29.9%、14年3月には30.2%、15年3月には31.4%と増加傾向にあります。安倍政権はローカル・アベノミクスによって地方再生に力を入れているように宣伝をしておりますが、実態は大都市、大企業重視の政策になっています。その結果、地方からの人口流出が拡大し、東京一極集中が進んでいるのが実態です。 若者の県外流出防止策として新規卒業者等の県内への就職促進にどのように取り組んでいるのか、県の考えをお尋ねいたします。 ひとり親世帯に配る児童扶養手当、第1子は据え置きになりました。ひとり親世帯の過半数を占める子供1人の世帯には恩恵が及びません。働くひとり親世帯の貧困率はOECD加盟34カ国で日本が最悪になっています。県内の児童扶養手当を受給しているひとり親世帯のうち、子供が1人の世帯数と2人以上の世帯数をお尋ねいたします。 来年度、診療報酬の引き下げ、年金の給付水準据え置きに加え、子育て世帯臨時特例給付金が打ち切られます。県内の子育て世帯臨時特例給付金の対象児童数をお尋ねいたします。 新3本の矢の第2の矢は「夢をつむぐ子育て支援」となっています。来年度は所得制限つき無償化の対象範囲を拡大しました。一方、防衛費は史上初めて5兆円を超える大判振る舞いをしています。防衛費を削り、全ての幼児を対象にした教育の無償化の矢を放つべきと思います。県内の幼稚園就園奨励費補助金の受給者数と全幼稚園児に対する受給割合をお尋ねいたします。 希望出生率1.8に向けて保育の受け皿を40万人から50万人にふやすとしていますが、保育士の給与水準引き上げも人事院勧告に連動した1.9%にとどまり、人手不足の解消にはほど遠い内容と言わなければなりません。公的支出を抑制し、低賃金の福祉労働者を利用する状況を続ける限り、保育環境の改善は望めまないと思います。 2点伺います。 県は、保育士の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 2つ目、県は民間保育所の保育士の処遇改善にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 大きな5番目は、貧困対策についてです。 国民生活基礎調査によると、日本の貧困率は16.1%で過去最高、6人に1人が貧困状態にあります。貧困を象徴するのが生活保護の増大です。2015年受給者世帯は過去最多を更新しています。20年前の2.5倍で、おおむね60人に1人が生活保護を受給しています。 現在、生活保護受給世帯の約半分は高齢者世帯であり、80万世帯を超え、目立つのは高齢者の単身世帯の増加です。ひとり暮らしの貧困率は2012年、女性で44.6%、男性で29.3%に達しているとの調査報告もあります。 これまで生活保護は特定の人たちの制度という印象でしたが、身近な問題に迫ってきています。県内の平成23年度以降の生活保護受給世帯数と全受給世帯に占める高齢者世帯の割合をお尋ねいたします。 我が国は教育に占める公的支出が低いため、教育費の負担は重荷となり、少子化の原因の1つと指摘されています。 そこで、県内の小中学生の学校給食費を無料化した場合、どの程度の経費が必要になるのかお尋ねいたします。 家計の苦しい世帯の子供に援助する就学援助は、1995年度には対象児童生徒数は77万人でしたが、2013年度には150万人、全体の15.42%、6人に1人が利用しています。 小中学校の児童生徒を対象として実施されている就学援助について、県内における震災前及び直近の受給者数と全児童生徒に対する受給割合をお尋ねいたします。 低年金受給者にはアベノミクスの恩恵が届かないという観点から、15年度補正予算に1,000万人に1人3万円を給付する予算が盛り込まれました。1回きりの一時的なものでは消費効果も乏しいし、高齢者の疲弊を根本的に解決するにはほど遠い対策と言わざるを得ません。県内の年金生活者等支援臨時福祉給付金の対象者数をお尋ねいたします。 子供の貧困問題はますます深刻になっています。学校の教員だけでは対応が困難な事例が増加しています。安心して学校生活を送ることができるように、福祉的な視点から問題解決に取り組むスクールソーシャルワーカーの重要性は増しています。 特に定時制高校は深刻な問題を抱えています。今後も教育相談を必要とする児童生徒は増加することが予想され、それに伴い、スクールソーシャルワーカーへの期待もますます高まっていくと考えます。 2点お尋ねいたします。 1つは、スクールソーシャルワーカーについて、今年度の支援件数と主な支援内容をお尋ねいたします。 2つ目は、スクールソーシャルワーカーの増員を図るべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。 大きな6番目は、介護についてです。 安倍政権は2020年初めまでに介護離職者をゼロにするという矢を放ちました。その具体策が介護保険事業計画です。計画どおりに受け皿ができても待機者を賄えないのが実態のようです。介護離職者ゼロにするには、入所希望者全員が入所することが前提となります。 法人認可の規制緩和を進める案も浮上していますが、介護職員の確保ができなければ絵に描いた餅になります。安倍政権は介護報酬を引き下げる一方で介護職員の待遇改善を行うというあべこべな対応策に終始しています。介護職員を初め介護事業全体の底上げを図らない限り、介護離職ゼロの矢は折れることは目に見えています。 現在親の介護施設が見つからないとの理由で仕事をやめる介護離職者が年10万人を超えています。特養入所の待機者は50万人を超え、そこで特養の増設を打ち出していますが、介護離職を防止する政策は施設から在宅介護へシフトする地域包括ケアシステムを進めてきたこれまでの政策と矛盾すると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 特別養護老人ホーム入所に待機する高齢者は13年9月現在で52万4,000人います。特養の増設などで50万人以上の受け皿ができても入所希望者を賄えないのが実態です。 国の補正予算で県内に整備される特別養護老人ホームの定員数と整備により待機は解消されるのかお尋ねいたします。 取得可能日数は93日のままで、現在1回しかとれない介護休業を3回まで分割取得を可能にしました。介護休業給付金についても、給付率を賃金の40%から67%に引き上げました。企業に浸透している評価主義が休業取得を阻害していることも事実です。 県内における介護休業の取得状況と介護休業取得率の向上に向けた県の取り組みについてお尋ねいたします。 介護職員不足により入居者を制限せざるを得ないとの声も聞かれます。介護職員の不足により入居者の受け入れを制限している県内の特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設について、施設数と制限人数をお尋ねいたします。 大手信用調査会社2社は老人福祉・介護事業者の倒産状況を発表しました。介護保険法が施行された2000年以降最悪としています。倒産した介護事業者の中心は新規事業者で、小規模事業者としている点と、倒産の一因として介護報酬の大幅引き下げを挙げている点で分析は共通しています。 このように、安倍政権は介護報酬を大幅に引き下げて事業者の経営を悪化させ、倒産に追い込んでいます。一方では、介護施設の増設により介護離職者ゼロという夢のような皮算用も行っています。 県内の介護保険事業所について、今年度における新規指定件数と廃止件数をお尋ねいたします。 介護の人材確保には介護人材全体の労働条件等の底上げが必要になっています。介護職員処遇改善加算の対象とならない職員の処遇を向上させるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 大きな7番目は、原発事故についてです。 汚染水に関する基本方針は、凍土壁の運転と地下水管理、そして原子炉建屋底部の汚染水の除去とドライアップ及び建屋の止水となっています。そして、2020年までに建屋内滞留水の処理を完了することが目標になっています。 10月の第37回特定原子力施設監視・評価検討委員会の中で検討委員の1人から「確実な凍結に至る見通しは立っていないのではないか。」という指摘がなされています。規制委員会委員は2014年の小規模実証試験で凍土壁は実行可能であることを確認済みと指摘を退けました。 特定原子力施設監視・評価検討会の議論などからは、凍土壁は汚染水の増加をとめる決め手にはなり得ないことが浮き彫りになってきています。ドライアップや建屋の止水が不可能であれば、計画は破綻します。 最近原子力規制委員会の委員の1人が事故で溶け落ちた核燃料について「取り出すことがよいかも含めて検討する必要があると思う。」と述べ、今後の調査の結果によっては取り出さない選択肢も検討する必要があるという考えを示しました。以前から指摘されておりますが、デブリが取り出せない状態であるということを示唆した言葉という見方もできます。 事故から5年、東京電力の隠蔽体質の新たな事実が明らかになりました。問題なのは、情報隠蔽によって依然として県民の安全は損なわれていることです。残念ながら廃炉作業もその延長線上にあると指摘せざるを得ません。 そこで、5点お尋ねいたします。 1つは、福島第1原発の凍土遮水壁の効果について、県の考えをお尋ねいたします。 2つは、福島第1原発の凍土遮水壁を運用した際にどのようなリスクがあるのかお尋ねいたします。 3点目は、福島第1原発の護岸エリアに設けられた地下水ドレンの水が汚染されている原因をお尋ねいたします。 4点目は、福島第1原発の1号機から4号機までの建屋内に滞留している高濃度汚染水の総量と汚染レベルをお尋ねいたします。 5点目は、福島第1原発の建屋地下に滞留する汚染水を除去するまでどのくらいの期間を要するのかお尋ねいたします。 大きな8点目は、木材利用の推進についてです。 木材は、先人たちが植えて育てた森林から伐採、収穫し、建築用材として利用した収益により、次の森林を植えて育て、森林資源を循環的に利用することでそこにかかわる林業や木材産業の活性化につながります。そのためには、年々充実しつつある本県森林資源の活用を図るため身近な公共施設の木造化を推進することが重要な取り組みであると考えます。 2点伺います。 1つは、県は林業の活性化に向け公共施設の木造化の推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 2つ目は、県は森林・林業の再生に向け担い手の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 大きな9点目は、原子力損害賠償についてです。 原発事故は、周辺地域社会のあらゆる側面に影響を及ぼし、県民全てが不利益をこうむっています。加害者は東京電力で、その最たるものは放射能被害です。避難指示区域の住民にはそれなりの賠償は支払ってきたと思います。そのほかの住民は低額な賠償で我慢を強いられています。 いわき市のように避難者を受け入れている自治体は、交通問題、医療、介護、地価の上昇など日常生活にさまざまな負担を強いられています。避難先自治体には1人4万2,000円の特別交付税が措置されてはいますが、直接住民の利益にはなっていません。 震災から丸5年を迎える今日、今さらさらなる賠償はなじまないという声も聞かれます。原発は収束を見ず、除染も十分に成果を上げておらず、避難は長期化しています。原子力災害収束の出口は見えず、関連被害の継続に、避難指示区域以外の住民は不安と不満を鬱積しているのが実態です。 避難者を受け入れている地域の住民に生じている日常生活における負担についての精神的損害の賠償を東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 大きな10番目は、再生可能エネルギーについてです。 再生可能エネルギーについては、太陽光、風力、小水力などのほかに、地中の安定したエネルギーを活用する地中熱があります。 県内での地中熱の利用については、震災以降関心が高まっており、ヒートポンプ等とあわせて公共施設の冷暖房や道路の融雪などに利用されておりますが、まだまだコスト高により一般家庭への普及が余り進んでおらず、今後地中熱利用のコスト低減などに向けた技術開発を進めることが重要であり、県の積極的な支援が必要になるものと思われます。 そこで、県は地中熱利用に関する技術開発をどのように支援していくのかお尋ねいたします。 11番目の質問は、甲状腺がんについてです。 最近、「ロシア政府報告書から読み解く甲状腺がんの実態」というのが雑誌に載りました。これによると「チェルノブイリ原発事故被災地では、事故後2年目に甲状腺がんがふえ、4年から5年目に大幅に増加した。甲状腺がんは、事故時5歳以下のグループに増加したが、この層に多発したのは事故から10年後ごろ、彼らが10代になった後である。事故直後数年間を見ると、事故時10代後半の層に甲状腺がんがふえている。甲状腺がんがふえたとされるロシアの被災地の一部では、児童の甲状腺被曝量は数ミリグレイから数十ミリグレイと推定されている。」となっています。 県民健康調査検討委員会は、チェルノブイリ甲状腺がんとの違いを「チェルノブイリでは4、5年後に甲状腺がんが増加した。チェルノブイリでは、事故時5歳以下の層に甲状腺がんが多発した。福島県では、被曝線量がチェルノブイリ被災地と比べてはるかに少ない。」などの3点を強調することにより、甲状腺がんの原発事故からの因果関係を否定しています。 ロシア政府報告書は2年目から甲状腺がんがふえていることを認めています。福島県の実態と類似しているとも言えます。福島県の甲状腺がんの発生率は、疑いを含めると通常の60から100倍以上と言われています。スクリーニング効果では説明できないとの指摘もあります。放射線によるものなのか、過剰診断の結果なのか、県民に正しい情報を提供することが求められていると思います。 以下、4点質問いたします。 1つは、甲状腺検査でこれまでに発見された甲状腺がんについて、多発しているという認識なのかお尋ねいたします。 2つ目は、甲状腺検査の対象者でこれまでに一度も検査を受けていない人数をお尋ねいたします。 3点目は、県民健康調査における甲状腺検査以外の検査から甲状腺がんと診断された人数をお尋ねいたします。 4点目は、県立医科大学における甲状腺がんの手術人数について、原発事故前とその後の推移をお尋ねいたします。 最後の質問は、イノシシ対策についてです。 中山間地域では、住民の高齢化や過疎化が進み、農地や山林にも人手が入らないことから、里にまでイノシシが出没するなど、鳥獣被害は大きな課題となっております。 そこで、中山間地域におけるイノシシによる農作物等被害防止対策について、県の考えをお尋ねいたします。 以上で私の質問を終わります。(拍手) ○議長(杉山純一君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 古市議員の御質問にお答えいたします。 地方創生の取り組みについてであります。 本県では、震災以前から人口減少が続き、特に進学期や就職期の若者の県外流出が顕著であることなどから、就業者や消費者の減少による経済成長率の低下が危惧されるところであります。 このため昨年末に策定したふくしま創生総合戦略では、各種仕事づくりに加え、労働生産性の向上の観点から、都市圏のプロフェッショナル人材の県内への還流を促すための体制整備や県内企業の上場化支援、2次、3次産業が牽引する売れる6次化商品づくり、さらに就業率向上の観点から、保育施設の整備や3世代同居・近居の支援などを盛り込んだところであります。 地域に人材と資金を呼び込めるような生産性が高く活力にあふれた産業を形成し、若者や女性、働き盛りの世代にとって魅力のある職場を生み出し、地域経済の活性化につなげてまいります。 次に、復興に向けた取り組みについてであります。 震災から間もなく5年を迎えます。この間、県民の皆さんの懸命な御努力と国内外からの温かい御支援により、会津と中通りの公共土木施設の復旧完了、常磐自動車道の全線開通や国道6号の自由通行化、ふたば復興診療所の開所、県内総生産の回復など着実に復興の歩みを進めているところであります。一方で、多くの県民の皆さんが避難を継続し、県全域で根強く残る風評、不透明な原発事故の見通しや除染など厳しい状況は今も続いております。 そうした中、復興をさらに進めていくためにはこれからの5年間が正念場であり、昨年末に策定した第3次復興計画に基づき、帰還に向けた生活環境の整備やイノベーション・コースト構想を初めとする産業、なりわいの再生など、避難地域等の復興をさらに加速させるとともに、農業、観光等の風評対策や新産業の創出など復興へ向けた重点プロジェクトの取り組みを中心に全力で取り組んでまいります。 今後とも前提となる復興財源の確保を図りながら、市町村や国と力を合わせ、県民の皆さんが誇りと希望の持てる、そして将来世代に誇りを持って引き継ぐことのできる魅力ある福島を築いてまいる考えであります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。    (危機管理部長樵 隆男君登壇) ◎危機管理部長(樵隆男君) お答えいたします。 凍土遮水壁の効果につきましては、凍土遮水壁は地下水バイパスや敷地の舗装、サブドレン、地下水ドレン、海側遮水壁とあわせて実施し、これらの相乗効果により原子炉建屋内の高濃度汚染水を減らす効果があると考えております。 次に、凍土遮水壁運用によるリスクにつきましては、凍土遮水壁の完成により原子炉建屋周辺の地下水位が急激に低下し、建屋内外の水位が逆転して汚染水が外部に流出する可能性があることから、水位の状況を見ながら凍結を進める必要があります。 また、凍土遮水壁は一旦凍結すると解凍までに時間を要するため、水位の逆転が生じないよう必要に応じて注水等の地下水位の回復措置が必要となります。 次に、護岸エリアの地下水ドレンの汚染原因につきましては、事故当時に建屋内の高濃度汚染水がトレンチを通して護岸エリアに漏れたことや、大気中に放出された放射性物質が降雨等により地下に浸透したことによる汚染が残留しており、海側遮水壁でせきとめられた地下水の水位が上昇し、これらの汚染源に触れたためと推定されております。 次に、建屋内の高濃度汚染水につきましては、東京電力の公表資料によりますと、総量約6万4,000トン、汚染レベルは最も濃度が高い全ベータで1リットル当たり約3,500万ベクレルとなっております。 次に、建屋地下に滞留する汚染水を除去するまでの期間につきましては、中長期ロードマップによれば、建屋周辺の地下水のくみ上げや凍土遮水壁、敷地舗装等の対策により建屋への地下水流入を抑制し、汚染水の水位を低下させ、建屋壁面の配管貫通部等の止水を行うことにより2020年度内に建屋内汚染水の除去を完了するとされております。    (保健福祉部長鈴木淳一君登壇) ◎保健福祉部長(鈴木淳一君) お答えいたします。 県内の平成23年度以降の生活保護受給世帯数につきましては、平成23年度が1万3,667世帯、平成24年度が1万3,224世帯、平成25年度が1万3,053世帯、平成26年度が1万3,081世帯、直近の平成27年12月は1万3,205世帯となっております。 全受給世帯に占める高齢者世帯の割合は、平成23年度からそれぞれ41.8%、43.3%、45.8%、48.1%、49.4%となっております。 次に、県内の年金生活者等支援臨時福祉給付金の対象者につきましては約23万人となっております。 次に、介護離職を防止する政策につきましては、必要な介護サービスの確保を図るための緊急対策であり、在宅サービスも含めて介護サービス全般の充実を図ろうとするものであります。 県といたしましては、地域包括ケアシステムを構築するため、今回の国の追加対策を活用しながら、人材の確保にもしっかりと取り組んでまいります。 次に、国の補正予算で県内に整備される特別養護老人ホームの定員数につきましては、第6次介護保険事業支援計画に基づく1,228人のうち174人分の前倒し整備を予定しております。 県といたしましては、施設入所の必要性が高い高齢者が入所可能となるよう計画的な整備を支援し、待機解消に努めてまいる考えであります。 次に、介護職員不足により入居者の受け入れを制限している県内の特別養護老人ホームと介護老人保健施設の施設数及び制限人数につきましては、平成27年10月1日現在、11施設、193人となっております。 次に、県内の介護保険事業所の今年度における指定件数と廃止件数につきましては、2月1日現在で新規指定は175件、廃止は62件となっております。 次に、介護職員処遇改善加算の対象とならない職員の処遇につきましては、介護支援専門員や生活相談員、調理員等のスタッフも介護職員同様に介護サービスの重要な担い手であることから、これまでも全ての職種について処遇改善を図るよう国に要望してきたところであり、今後も引き続き働きかけてまいりたいと考えております。 次に、県民健康調査でこれまでに発見された甲状腺がんにつきましては、症状のない方を対象として広く実施した検査の結果発見されたものであり、何らかの症状があり、医療機関を受診してがんと診断された方の人数とは発見の経緯が大きく異なることから、単純に比較することは難しいものと考えております。 次に、県民健康調査の甲状腺検査の対象者でこれまで一度も検査を受けていない方の人数につきましては、昨年12月末現在、6万1,931人となっております。 次に、県民健康調査における甲状腺検査以外の検査から甲状腺がんと診断された人数につきましては把握しておりません。 次に、県立医科大学における甲状腺がんの手術人数につきましては、平成22年度15名、平成23年度38名、平成24年度36名、平成25年度66名、平成26年度87名となっております。    (商工労働部長飯塚俊二君登壇) ◎商工労働部長(飯塚俊二君) お答えいたします。 新規卒業者等の県内就職促進につきましては、高校教員の企業現場研修を初めとする学校・企業連携事業を実施するとともに、今年度は県内の4大学、首都圏の7大学と学生の地元定着を促進する協定を新たに締結し、取り組みを強化したところであります。 今後とも高校と企業との連携や大学との就職支援協定等を一層推し進めるなど、新規卒業者等の県外流出防止に向けしっかりと取り組んでまいる考えであります。 次に、介護休業の取得状況につきましては、平成26年労働条件等実態調査において、介護休業を取得した実績のある県内事業者は6.0%となっております。 県ではこれまで優良取り組み事例の紹介や企業認証制度を通して取得率の向上に努めてきたところであり、今後国が進める介護休業の分割取得や介護休業給付金の引き上げ等を内容とする法改正の状況などを踏まえ、一層の取り組みを進めてまいる考えであります。 次に、地中熱事業に関する技術開発につきましては、福島再生可能エネルギー研究所と連携し、県内企業等が行う地中熱の分布に関する調査や低価格のヒートポンプの開発等を支援してきたところであります。 今後とも大学や県内企業と連携し、地中熱の効率的利用に向けた研究開発や未利用の廃校施設を活用した実証試験を進めるなど、関連技術の早期の事業化に取り組んでまいる考えであります。    (農林水産部長小野和彦君登壇) ◎農林水産部長(小野和彦君) お答えいたします。 関税収入の減少による本県の畜産振興対策への影響につきましては、国の総合的なTPP関連政策大綱において、農林水産分野の対策に支障を来さないよう、その財源については政府全体で責任を持って確保するものとされております。 次に、ISDS条項につきましては、海外企業の投資に関し、国内企業等と差別化しないことを原則として、投資家と国との間の紛争解決の手続を規定したものであり、国が農業への補助制度を設計するに当たっては、紛争が起きないよう適切な対応がなされるものと考えております。 次に、圃場整備の効果につきましては、作物の増収や品質の向上、営農経費の節減、耕作放棄地の発生防止などに加え、担い手農家等への農用地の利用集積が促進されることから、農業の競争力の強化につながるものと考えております。 次に、耕作放棄地の固定資産税の課税強化につきましては、所有者に農地の有効活用を促すことで担い手への農地の利用集積による耕作放棄地の発生抑制や再生・活用が促進されるものと考えております。 次に、輸入米の流通増加に伴う影響につきましては、国の総合的なTPP関連政策大綱において輸入量と同量を国産の主食用米から買い上げる仕組みが示されていること、さらに備蓄保管後の売却についても売却先として最大の飼料用米市場においては需要が供給を大きく上回る状況になっていることなどから、その影響は見込みがたいと考えております。 次に、飼料用米の来年度の生産面積目標につきましては6,500ヘクタール程度としております。 なお、10年後の生産面積目標については、毎年国による主食用米の需給見通しに基づき生産量が割り当てられてきたことから、県としての目標の設定は行っておりません。 次に、10年後の主食用米と飼料用米の生産面積比率につきましては、目標値の設定は行っておりません。 次に、県産米の業務用向けの割合につきましては、集出荷団体等を対象に行った流通状況のアンケート調査によると、全体量の約8割が最終的な用途がわからない卸売業者向けとなっているものの、明確に業務用向けと回答した割合は、平成20年産米で5%であったものが平成24年産米では11%と増加傾向にあります。 次に、公共施設の木造化の推進につきましては、ふくしま県産材利用推進方針に基づき、部局連携のもと復興公営住宅や県庁北庁舎など県有施設への木材利用を進めているところです。 また、現在50の市町村において木材利用方針が策定されており、この方針に沿って整備される施設への支援を通じて公共施設の木造化の推進に努めてまいります。 次に、林業の担い手の確保につきましては、高性能林業機械の導入による作業環境の改善、個人事業主への労災保険の加入促進などの福利厚生の充実等に努めているほか、新年度から高校生と教諭を対象とした現地見学会において、高性能林業機械による伐採の現場や大規模な製材工場の見学を行い、担い手の確保に努めてまいります。 次に、中山間地域におけるイノシシによる農作物等被害防止対策につきましては、やぶの刈り払い等の環境整備や侵入防止柵の設置について集落に対して支援するほか、侵入防止柵の自力での施工が困難な場合には、民間業者への委託経費も支援できることとしております。    (土木部長大河原 聡君登壇) ◎土木部長(大河原聡君) お答えいたします。 新婚世帯の県営住宅への優先入居につきましては、世帯主が障がい者の世帯や幼児を扶養している世帯等を対象としておりますが、さらに対象を拡大することについては、福島県人口ビジョンにおける出産.子育ての希望に応えられる社会の実現に向けた取り組みや優先入居の応募状況を踏まえながら、慎重に検討してまいりたいと考えております。    (原子力損害対策担当理事成田良洋君登壇) ◎原子力損害対策担当理事(成田良洋君) お答えいたします。 原発事故による精神的損害につきましては、これまで被害の実態に見合った賠償を行うよう東京電力に繰り返し求めてまいりました。 引き続き被災地の実情を訴えながら、個別具体的な事情による損害への的確な賠償はもとより、国による施策の実施も含め、福島の復興再生に向けて国及び東京電力が責任を持って取り組むよう求めてまいります。    (こども未来局長尾形淳一君登壇) ◎こども未来局長(尾形淳一君) お答えいたします。 婚姻率を上げることにつきましては、これまでも独身者を対象とした話し方や身だしなみを学ぶための講座の開催のほか、世話やき人を養成し結婚相談に応じてまいりました。 今後は市町村や企業との連携を一層密にし、若者の出会いの場づくりやITを活用した結婚相談機能の充実などの施策を通して若い世代の結婚の希望がかなえられるよう取り組んでまいります。 次に、結婚に伴う住宅確保への支援につきましては、経済的理由で結婚に踏み出せない若い世代の負担を軽減するため、新たに所得が300万円未満の新婚世帯を対象に住宅を確保するための費用を助成する市町村を支援することとしております。 次に、児童扶養手当につきましては、昨年10月末現在で県内で手当を受給しているひとり親世帯のうち子供が1人の世帯数は1万648世帯、2人以上の世帯数は7,595世帯となっております。 次に、子育て世帯臨時特例給付金の対象児童数につきましては、昨年10月末現在で22万8,965人となっております。 次に、保育士の確保につきましては、保育士の資格取得を目指す方への修学資金の貸し付けに加え、新年度から新たに資格を持つ方の再就職を促進するため、2年間の継続勤務により返済を不要とする条件のもとで、転居に要する費用など就職の準備に必要な経費について貸し付けを行う制度を創設することといたしました。こうした取り組みなどを通じて引き続き保育士の確保に取り組んでまいります。 次に、民間保育所の保育士の処遇の改善につきましては、本年度から開始された子ども・子育て支援新制度において、新たに職員の平均勤続年数などに応じて賃金を加算する措置が講じられたところであります。 県といたしましては、国においてさらなる処遇改善措置が講じられるよう引き続き全国知事会などと連携して対応してまいります。    (教育長杉 昭重君登壇) ◎教育長(杉昭重君) お答えいたします。 幼稚園就園奨励費補助金につきましては、平成26年度における受給者数は1万8,871名で、全幼稚園児に対する受給割合は75.0%となっております。 次に、県内小中学生の学校給食費を無料化した場合に必要となる経費につきましては、平成26年度の給食費をもとに試算すると約80億円となります。 次に、就学援助につきましては、その受給者数は震災前の平成22年度においては1万8,791名で、全児童生徒に対する受給割合は10.6%であり、直近の調査年度である平成25年度においては2万2,412名で、14.4%となっております。 次に、スクールソーシャルワーカーの支援件数につきましては、今年度の4月から12月までで約2,800件となっております。 また、主な支援内容は不登校や家庭環境の改善、発達障がいへの適切な対応などであり、今後とも家庭や地域の民生委員、市町村の保健福祉部局や県の児童相談所等の関係機関と連携しながら、児童生徒の心に寄り添ったきめ細かな支援に努めてまいる考えであります。 次に、スクールソーシャルワーカーにつきましては、大学等の関係機関の協力を得ながら、平成23年度以降、毎年度その増員を図ってきており、今年度は41名を配置しているところであります。 新年度につきましては、教育事務所及び市町村教育委員会に7名増員し、48名を配置する予定であり、今後も教育相談体制の充実に努めてまいる考えであります。 ◆36番(古市三久君) 再質問を2点したいと思いますが、保健福祉部長にお尋ねいたします。 最初の質問の多発かどうかということに対して明確な答弁はされなかったと思うのですが、多発ではないということなのか、それともわからないということなのか、その辺についてはいかがでしょうか。 それから、福島医大のがんの手術数が報告されましたよね。これは全体を足しますと233件ぐらいになるかと思うのですが、震災前の医大の甲状腺がんの手術というのは大体1年間に16件ぐらいですよね。そういう意味では、非常にこのがんの手術の数がふえていると思うのです。 平成27年3月段階で、多分これは県の調査検討委員会の中での話だと思うのですけれども、医大では97名の方が手術をしているというようなことが言われておりまして、部長答弁の数でいうと200人以上の件数になっているわけですよね。つまりこれは福島県内の方が手術したのか、よその方が手術したのか中身はよくわかりませんけれども、ふえていることには間違いないわけですよね。 なおかつ、筑波大あたりでも、国の医療情報からすると甲状腺がん検査の数がふえているわけです。福島県の調査委員会は、多発と言っている方もいらっしゃいますけれども、公式的には多発というようなことは言っていないのかどうかわかりませんが、そういう意味で非常にゆゆしき問題ではないかなと思っているのです。 なおかつ、県の調査委員会は、2年に1回の検査でがんになった方しか数として数えていないわけですよね。しかしながら、このように手術数が非常に多いわけなので、その辺について県の検討委員会で調査するというか、どういうふうになっているのか調べていく必要があるのではないかと思うのです。それが県民に対する安心・安全を担保していくというようなことになるかと思うのです。 したがって、自由診療というか、医大で診断された方の甲状腺の診断数についても県民健康調査の中でしっかりと捉えて、把握をしていく必要があるのではないかと思いますが、その辺について2点お尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(鈴木淳一君) 再質問にお答えいたします。 がんの件数につきましては、一般的ながん罹患統計などに比べますと数十倍のオーダーで見つかっているというのは事実でございまして、県民健康調査検討委員会の甲状腺評価部会の中でも報告をされておりまして、その事実関係につきましては、検討委員会の中間取りまとめの中にも記載される見込みとなっております。 ただ、その発見数が多いこと自体を多発という表現で言うのかどうかとか、その辺につきましては、発見される経緯が、実際ぐあいが悪くなってお医者さんにかかってそれでがんと診断される経緯が一般的なわけですが、今回の県民健康調査甲状腺検査の中では、子供さんを全員対象にして受けてくださいということで検査をしているということで経緯が違っているので、直接比較して何倍だからどうというふうには申し上げられないのではないかということでお答えをさせていただきました。 なお、甲状腺検査以外の方の把握につきましては、全員の子供さんにそういうことも含めまして検査をしっかり受けていただけるように我々もまた努めていきたいと思います。 ◆36番(古市三久君) つまり医大の手術数が非常に多いということについては県も把握しているわけですよね。健康調査検討委員会で見つかった数と比べれば百数十件以上多くなっているわけですよね。 したがって、何年から計算するかにもよりますけれども、多くなっていることは間違いないので、それが健康調査で見つからなかったからそれは関係ないのだと、そういうふうな考えなのか、それともそれらについても、福島県の、当時18歳以下の方々の甲状腺がんになった方、つまり2年に1回の検査でわからなくて、たまたま行ってわかったという方もいて手術する方もいらっしゃると思うのです。 そういう方について調査検討委員会で把握をして、そういうものも含めて甲状腺がんの数の中に入れていくべきではないかというふうに私は思いますが、県の考えをお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(鈴木淳一君) 再質問にお答えいたします。 医大での手術件数につきましては、御指摘のございましたとおり平成24年からの3年間で97名分が県民健康調査甲状腺検査の中から見つかって手術に至ったということで、その分は少なくとも甲状腺検査の結果多くなっていると言ってもいいかと思います。 この甲状腺検査の枠組みに乗らない方が把握できていないので、どんなふうな方がいらっしゃるかよくはわかりませんが、甲状腺検査は、県、それから県立医大でさまざまな専門医、認定医の方をそろえたり、それから一定の専門性とか信頼性と言ったらいいのでしょうか、そういったものを備えたところできちんと検査をし、さらに手術に至るまでの間にはさまざまなガイドラインや判定会みたいなことを経て手術をさせていただいているというのが我々の枠組みですので、なるべく県民の方にその枠組みに乗っていただけるようにお願いして、これからも取り組んでいきたいと思いますし、また逆に手術だけではなくてサポート体制も含めて充実を一段と図っていきたいと考えております。 ○議長(杉山純一君) これをもって、古市三久君の質問を終わります。  暫時休憩いたします。    午後3時休憩                   午後3時21分開議 ○副議長(満山喜一君) この際、私が議長の職務を行います。 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。 直ちに、質問を継続いたします。 通告により発言を許します。26番宮川えみ子君。(拍手)    (26番宮川えみ子君登壇) ◆26番(宮川えみ子君) 宮川えみ子です。日本共産党県議団を代表して追加代表質問をいたします。 県民の安全・安心についてです。 国の補正予算は、1億総活躍でなく1億総動員の間違いではないかと思われるような例年にない軍事費大増額補正です。警備艦、航空機、潜水艦、在日米軍関係など1,917億円もふやされています。安保法制・戦争法施行は来月からですが、身の回りに戦争法の影が迫ってきています。 孫を自衛隊にはやれないという人、自衛隊員のなり手が減って自衛隊員募集のチラシが新聞に入り、高校の門前で勧誘チラシがまかれ、防衛大学校卒業生が幹部自衛官にならない比率も高まっています。 防衛省が志願は強要しないとしながらも、民間の船員を予備自衛官補として有事に活用する計画を進めていますが、船員2万5,000人でつくる全日本海員組合は反対声明を1月29日に発表しました。 第2次世界大戦時、民間船が徴用され、6万609人もの船員が犠牲になった。断固反対との抗議声明です。「会社に言われたら拒否できず、事実上の徴用だ。」「船は職種の全員がそろって動くもので、志願といっても船員の意思は担保されない。」と批判しています。 300人の組合員を擁する小名浜支部も「非常に心配しています。」と言います。安保法制・戦争法によって、船員だけではなく公共団体や民間企業への協力要請が懸念されます。 戦後初めて自衛隊が外国人を殺し戦死者を出す現実的な危険が高まっています。米軍などの軍事作戦に参加できるようになったことは、日本国民もテロ等にさらされる危険が濃厚になります。県は県民の安全・安心についてどのように考えているのか尋ねます。 原発問題についてです。 原発を動かすと必ず大量に出る死の灰、使用済み核燃料の処理は破綻しています。国はこれまで使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し有効利用をするとして核燃料サイクルを推し進めてきました。しかし、1兆円以上の税金をつぎ込み開発を進めてきた高速増殖炉「もんじゅ」は動かず、6ケ所再処理工場も未完成です。 使用済み核燃料保管容器、乾式キャスクの強度不足について原子力規制委員会が検討中ですが、今後事故原発から大量の使用済み燃料が取り出されると思いますが、安全確保が重要です。福島第1原発の使用済み核燃料の保管計画について県は国と東電からからどのような説明を受けているのか尋ねます。 核燃料サイクルも破綻している中で国の原子力政策は成り立たないと思いますが、県の考えを尋ねます。 1月10日に「福島県内の全原発の廃炉を求める会」がいわき市のアリオスで会場いっぱいの1,500人を集め、小泉元首相の講演会を開きました。小泉氏は「原発ゼロは政治が決断すれば必ず実現できる。事故が起きるまでは専門家の話を信じていたが、勉強して、原発は安全でコストが安くクリーンなエネルギーというのは全部うそとわかった。責任を感じている。過ちを改むるにはばかることなかれ。」と熱弁でした。 また、南相馬市の桜井市長、浪江町の馬場町長の町民の実態の話、特に浪江町長は「事故究明もなく再稼動なのか。2万1,000人の町民には2万1,000の思いがある。」との発言には、共感の拍手が鳴りやみませんでした。福島第2原発は廃炉という県民の願いをどう聞いているのか、知事の本気度が試されます。第2原発の廃炉の実現に向けた取り組みを県民に見えるようにすべきですが、県の考えを尋ねます。 汚染水対策で凍土遮水壁をつくりました。運用に対し規制委員会の指導で当初予定の山側からでなく海側からの凍結開始となりました。だめだったら調整するといいますが、凍らせるのに3カ月といいます。簡単にできるのでしょうか。汚染水は海側遮水壁設置で水面が上がり、ドレンくみ上げ処理が必要になったり、トータルで減っているのでしょうか。県は専門家の英知を結集し、国に対して汚染水対策を確実に進めるよう求めるべきですが、尋ねます。 地域創生と人口問題についてです。 福島県地域創生・人口縮小対策有識者会議座長を務めた法政大学の岡崎名誉教授は、今地方自治体の危機が叫ばれているが、一番の問題は、平成の合併により市町村職員が激減し、地域、集落の問題を考える人が圧倒的にいなくなってしまったことだと批判、地方創生は道州制などの広域的視点ではなく、もっと生活の場から地域がつくり上げてきた歴史や文化を学び、掘り下げる作業が大事だと述べています。 安倍政権が進める地方創生は、自治体に選択と集中の名で公共施設の集約化による住民サービスの切り下げを迫り、一方では国際競争力を強化し、経済成長に寄与するインフラ整備、国土強靱化などに重点化を図るとしています。そうした行政効率化の成果に地方交付税配分まで行おうとしています。 しかし、この間、地域が持っている文化や経済力を引き出し、学校や保育所、公民館などの公共施設を減らさず、住民サービスを維持するとともに、積極的な子育てや生活支援策を実施して頑張っている自治体で、島根県の邑南町などのように、人口減少に歯どめがかかり、むしろ増加に転じる例が生まれているのが特徴です。県内でも大玉村などがあります。こうした先進自治体の進んだ取り組みを生かすべきだと思います。 知事は、大震災と原発事故により大きく人口減少となった本県の復興と再生に向け、人口減少対策にどのように取り組むのか伺います。 再生可能エネルギーについてです。 原発に頼らない県づくりとして、県は再生可能エネルギー先駆けの地アクションプランを2013年につくりました。導入目標は県内エネルギーの需要量に対し2020年までに40%、40年までに100%としています。計画スタート時は22%だったので、年間1%の進捗率です。加速化させないと目標達成は難しいと思いますが、現行のアクションプランをどのように総括し、見直そうとしているのか伺います。 また、省エネルギーを推進するためにどのように取り組んでいくのか尋ねます。 エネルギーの地産地消拡大の観点をどのようにアクションプランに反映するのか尋ねます。 県内の太陽光発電のうち、主に個人住宅用が占める10キロワット未満の設備について、2015年10月現在わずか26%です。住宅用太陽光発電の導入促進にどのように取り組んでいくのか尋ねます。 復興公営住宅の整備に当たり、太陽光発電設備をどのように取り入れているのか尋ねます。 学校や公民館など市町村の防災拠点になる施設への再生可能エネルギーの導入をどのように支援していくのか尋ねます。 県民の暮らし応援についてです。 史上初の5兆円を超える軍事費の一方、日本人は6人に1人が貧困に苦しむ世界有数の貧困大国です。ひとり親家庭の子供の貧困率は50%を上回り、経済協力開発機構加盟国34カ国中最悪です。貧困世帯ほど大学進学率が低いなど、貧困は次の世代に連鎖します。 少子化担当大臣は「貧困対策で進学率が上がれば生涯所得が2.9兆円ふえ、政府財政も1.1兆円改善する。」と言います。しかし、低所得者世帯や子育て世帯へ大打撃を与える消費税10%を強行する、6割を占めるひとり親世帯への緩和策もない、子供の数が多いほど生活保護費を削減する、まるで逆さまです。 子供だけでなく、来年度予算は社会保障の負担増と給付削減のオンパレードです。物価が上がっても年金は据え置き、75歳以上の医療費は保険料引き上げ、入院給食費は1食100円増の360円、18年度は460円です。 また、地方の中小企業の多くが外形標準課税で苦しむことになり、リストラ推進になりかねません。一方、大企業は次々と減税し、内部留保は300兆円、国家予算の3倍近くにも積み上がっています。今やるべきことは、消費税増税中止と、負担能力のあるところにこそ財源を求め、暮らし応援の政治に転換するときです。 私のところにも、経済的事情と見られる離婚相談、低い年金で医療にかかれないなど、さまざまな問題が持ち込まれていますが、特にひとり親家庭の貧困の実態を尋ねます。 生活保護行政についてですが、福島県はがんになっても安心して暮らせる社会の実現に向け、がん対策を総合的に推進する条例を制定しました。働きながら治療を行える条件も整ってきましたが、問題になるのは医療費のことです。生活保護で医療費扶助を受ける場合、自動車の保有があると、受給条件が合っても認められません。 通院やその後の自立のことも考慮して、生活保護世帯の自動車の保有について世帯の状況により柔軟に対応すべきと思いますが、県の考えを尋ねます。 子ども食堂についてです。 子ども食堂は、触れ合いの時間をつくったり、安価で子供たちに食事を提供する取り組みです。貧困で十分な食事をとれないなど、子供たちを支援するためNPO法人などが実施しています。都市部を中心に全国各地で広がり、注目を集めています。 県内首長との懇談では「子ども食堂は注目に値する。退職された先生にもお願いして無料塾ができるといい。」などの話になりました。県内での実施状況を尋ねます。 また、県として支援すべきと思いますが、尋ねます。 ひきこもり対策についてです。  ひきこもりはふえ続けています。登校拒否から続いている、ブラック企業で身も心も傷ついた方など、本人はもちろん、家族も深刻です。昨年12月の県の総合計画審議会でも、人と地域、子供の居場所つくり、人材育成の取り組みなど意見が出されたところです。 1年前に我が党の阿部議員が、秋田県藤里町でひきこもり対策に成果を上げていることを取り上げました。福島県ひきこもり支援センターが委託しているNPO法人ビーンズふくしまの調査では、内閣府の調査を福島県に当てはめると、狭い意味でのひきこもりでは約3,000人、広い意味では約8,900人になるとのことです。しかし、藤里町の全戸訪問調査では、長期の不就労状態で自宅などに引きこもっている人の出現率は8.74%で、福島県に当てはめると約4万5,000人になります。実態をどのように把握されたのか伺います。 支援センターでの相談の実績は、2014年度は延べ460件に対し、2015年度は11月までに既に621件になっており、急激にふえています。県内でただ一つ郡山に自立のための施設がありますが、厚労省から来る補助金が受け入れ人数基準となっているため安定的でなく、専門家が働き続けられる状況になっていません。ひきこもり支援センターの強化とそれに見合った予算措置が必要ですが、考えを尋ねます。 ひきこもり支援について県の責任で各市町村での相談体制づくりが必要と思いますが、考えを尋ねます。 教育問題についてです。 就学援助制度、準要保護についてです。 義務教育は無償とする憲法26条からも学校給食の無償化は行うべきですが、去る12月議会で我が党吉田議員の学校給食無料化についての質問に対し、教育長は「経済的に困難な世帯には就学援助がある。」との答弁ですが、必要な人に十分な対応ができていません。 ある母子家庭の方は、親と同居のため生計同一と見られ該当しないといいます。また、制度がわからず利用できていない例もあります。各市町村で就学援助基準がまちまちで実態にそぐわないのです。生活保護基準の1.5倍にするなど、県教育委員会は市町村が行う就学援助、準要保護児童生徒の認定について共通の基準を示すべきですが、尋ねます。 図書館行政についてです。 いわき市は小中学校の専任図書館司書の配置が進んでいます。市の教育長も、本が整理されて利用が多くなっている、図書館に温かみがあって楽しく学ぶ雰囲気が感じられる、中学校にもふやしたいと、さらに推進の立場です。公立小中高等学校における学校司書の配置割合について尋ねます。 県教育長もいわき市と矢吹町に学校図書館活性化実践事業の指定を受けてもらったといいますが、市町村立小中学校に学校司書の配置が進むよう、財政支援も含めて県独自の支援をすべきと思いますが、県教育委員会の考えを尋ねます。 公立図書館に指定管理者など民間委託を迫る動きもあります。大手書店などに委託すれば、売らんがための運営になっていきかねません。公立図書館の運営について民間委託をすべきでないと思いますが、考えを尋ねます。 昼間は暖房を切ってしまい、センター試験を前に風邪を引いてしまうという苦情や、冷房費は父母負担で大変などの声があります。県立学校の図書購入費を含めた維持管理経費を増額すべきですが、県教育委員会の考えを尋ねます。 奨学金制度についてです。 国は今後15年間で国からの国立大学の交付金を1,948億円減らす計画です。足りない分は自己収入でといいますが、学費値上げなどにつながらざるを得ません。世界有数の異常な高学費の国がさらに値上げの道に突き進もうとしています。 借金地獄とブラックバイト漬けの学生をふやす日本にさせてはなりません。日本共産党はこれまでも、給付型奨学金創設について国に求めること、また県独自の支援策を創設するよう求めてきました。 県は新年度に大学生の産業人材確保のために奨学金返還支援事業を行うとしました。希望者全員を対象にすべきと思います。この奨学金返還支援制度についてどのような考えで創設するのか伺います。 子供の貧困を考えれば、産業枠にとどめず、全ての学生に必要な支援をすべきです。全国で比べると福島県は短大・大学進学率は38番目という状況です。高校生、大学生及び専門学生を対象とした給付型奨学金制度を創設すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお聞きします。 公営住宅問題についてです。 千葉県銚子市の県営住宅で家賃滞納を理由に母子家庭の母親が住宅明け渡しの強制執行日に無理心中を図って長女を殺害する事件が2014年9月に起きました。千葉地裁の執行官が強制退去を執行するために自宅を訪問したとき殺害が発見されました。家賃の減免や生活保護も行われておらず、市や県、関係機関などの情報の共有もなかったということでした。 その後国交省住宅局は、都道府県知事に対し2014年11月5日付で公営住宅の滞納家賃の徴収における留意事項等について通達し、それを受けて福島県土木部長名で同趣旨の通達を各市町村に通知しました。県は市町村の公営住宅の家賃減免制度の県に準じた拡充に向けどのように支援をするのか尋ねます。 安い家賃を求めて公営住宅の入居希望者はふえ、10倍の応募倍率も珍しくはありません。しかし、新規建設がないため住居に困っている人が入居できないのが現実です。貧困化、格差社会が問題になっている今、年金で暮らすには安い住宅しかない、母子家庭なので一般の借家には入れない、派遣なので世帯を持つには住宅費は安いところに、親から独立したいなど、役割はますます大きくなっています。昨年度及び今年度の県営住宅の応募倍率について尋ねます。 県営住宅はふやさないとしている方針を転換すべきですが、伺います。 浪江町では、雇用促進住宅を買い取って改修し、復興住宅にする計画です。雇用促進住宅を買い取り県営住宅として供給すべきですが、考えをお示しください。 県は市町村が雇用促進住宅を買い取り公営住宅とする場合どのように支援するのか尋ねます。 人口減少対策は喫緊の対策ですが、何といっても結婚や子育てには住まいの確保は欠かせません。若者の親からの独立も重要です。住宅確保が困難な若者が単身で県営住宅に入居できるようにすべきですが、伺います。 林業問題についてです。 「福島県は県土の7割が森林で、県民の原風景であり、その恵みを受け、地球温暖化防止としても貢献している。しかし、原発事故での放射能汚染に対する国の限定的な除染という方針に不安も解消されない。」と相馬市長は述べています。 県は原発事故後に低下した県産材の生産量や価格の回復状況を踏まえ、人工林等の利用拡大にどのように取り組むのか尋ねます。 県はCLTの推進に向けて課題となるコストの低減についてどのように考えているのか尋ねます。 県は、放射性物質対策を踏まえた林業の担い手確保にどのように取り組んでいくのか尋ねます。 漁業問題についてです。 いわき市漁協は試験操業を広げていますが、風評は依然として厳しいです。試験操業の拡大が検討されているようですが、東京電力福島第1原発から半径20キロ圏内の漁場の瓦れき処理について伺います。 漁協の水産物の自主検査に対し県はどのように支援しているのか尋ねます。 漁業者の就業意欲を維持するための試験操業拡大に向けて、県はどのように支援をするのか尋ねます。 農業問題についてです。 福島第1原発事故のあった福島県の太平洋岸の農業の復興は困難をきわめております。農業の再生について帰還する方々のニーズが重要と思います。多額の補助金を受けてつくった植物工場でも補助金が切れれば経営は成り立ちません。避難地域等における植物工場に対し県はどのように支援をしていくのか尋ねます。 浜地域農業再生研究センターに関してですが、現地要望推進のための研究スタッフ体制、農地除染状況の全体把握と調査、家族経営や集落経営、高濃度汚染環境下での技術指導、複合経営でのなりわい対策などの課題があります。浜地域農業再生研究センターにおいてどのような体制で、またどのような研究に取り組んでいくのか伺います。 福島大学の農学部設置についてどのような現状なのか伺います。 最低賃金の改善と中小企業支援対策についてです。 1月16日発表の総務省の労働力調査で、安倍政権の3年間で正社員が23万人減り、一方非正規雇用労働者が172万人ふえました。雇用労働者の4割が非正規雇用になり、4人に1人が200万円に届かない低賃金です。その中でも若者は半分が不安定雇用で、自立、結婚、子育てに重大な悪影響を与えています。 また、大企業がもうかれば家計に回るというトリクルダウン論に立ったアベノミクスの失敗は、GDPの速報値がマイナスになったことでも一層明らかなように、家計を温め国民の所得をふやす経済政策への転換が必要です。 最低賃金は東京が時給907円、福島県は705円で、福島県ではフルタイムで働いても月収12万円余です。最低賃金の時給1,000円への引き上げと地域間格差の縮小、中小企業の社会保険料の事業者負担の軽減を国に求めるべきですが、県の考えを伺います。 福島県中小企業振興基本条例は、大震災、原発事故後の改定で重大な影響をもたらした中小企業に対し迅速に施策展開することを求めています。東電の賠償値切り、切り捨てが激しい状況で、このままでは倒産する可能性が相次ぐ中小商工業ですが、商工業等の営業損害について中小企業者の賠償請求に対する支援を強化すべきですが、伺います。 多産業に波及する住宅リフォームは市町村の制度とあわせれば強力な仕事おこしにつながります。地域おこしにつながる住宅リフォームに助成すべきと思いますが、伺います。 また、商店街リフォーム制度など商業者の危機的状況打開策として手厚い支援を行うべきですが、伺います。 補正予算で原発被災・帰還事業で146億円の基金事業が造成されていますが、どこで事業を再開しても同じ補助率で受けられることが求められます。原子力災害被災事業者・事業再開等支援基金を活用し、どのような事業を行うのか尋ねます。 中小企業グループ補助金はまちの活性化につながってきていますが、継続と柔軟な対応を国に求めるべきですが、伺います。 被災を受けて500万円以上の負債があり、新たに500万円以上のローンを組むときの支援策、二重ローン対策、住宅復興資金利子補給事業の申請件数が少ないのですが、新年度の申請件数をどのように見込み、対象者への周知に取り組むのか尋ねます。 最後に、イノシシ対策についてです。 イノシシ管理計画では、この20年間でおよそ10倍にふえ続けているイノシシを今後5年間で10分の1にする計画です。これは被害も少なく比較的安定と推測した数で、繁殖後の生息数を考慮しても、年間1万8,000頭捕獲した場合、5年で実現するとしています。 イノシシの捕獲は県が行う指定管理鳥獣捕獲と市町村が行う有害捕獲、狩猟者が行う狩猟捕獲とありますが、イノシシ管理計画の初年度に当たる今年度の捕獲状況を尋ねます。 捕獲も含めた農作物等被害防止対策を市町村が十分に行えるよう財政支援を強化すべきと思いますが、県の考えを尋ねます。 農作物等被害防止のための鳥獣被害対策実施隊の設置状況と実施隊を担う狩猟者の確保について尋ねます。 狩猟者も市町村も苦労しているイノシシの捕獲後の処分についてどのように取り組んでいるのか尋ねます。 日本国憲法に真っ向から背く戦争法の強行採決から5カ月となった2月19日、日本共産党志位委員長、民主党岡田代表、維新の党松野代表、社民党の吉田党首、生活の党小沢代表の野党5党は国会内で会談し、戦争法廃止や国政選挙で最大の協力を行うことなど4項目で合意しました。日本共産党県議団も県民の安全・安心と暮らしを守るために戦争法廃止に全力を尽くすことを申し上げ、質問を終わります。(拍手) ○副議長(満山喜一君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 宮川議員の御質問にお答えいたします。 人口減少対策についてであります。 未曽有の複合災害に見舞われた本県が人口減少問題を克服するためには、地方創生のトップランナーを目指して創意工夫を凝らし、進取果敢に挑戦していく必要があります。 全国の過疎団体においては、外部からの視点による地域資源を活用した商品開発等で実績を上げている島根県海士町や村直営による雇用の場の創出と住宅整備等により若者の定住につなげている群馬県上野村など、人口減少対策の成果を上げている多くの自治体があります。 昨年末策定したふくしま創生総合戦略では、こうした先進事例も踏まえ、ものづくりに関心の高いクリエーターと県内伝統工芸事業者とのマッチングによる新商品の開発や働く場と住居を確保するための支援策をパッケージで行う定住促進のモデル事業など、「しごと」をつくり、「ひと」の流れを生み出す施策を優先的に盛り込んだところであり、意欲ある市町村や企業等と積極的に連携し、優良モデル事業を数多く積み上げ、県内への波及を目指してまいります。 国が地方創生に動く今こそが大きなチャンスであり、福島の復興・創生に向け全庁を挙げて取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。    (危機管理部長樵 隆男君登壇) ◎危機管理部長(樵隆男君) お答えいたします。 県民の安全・安心につきましては、本県に武力攻撃等の事態が発生した場合には、国民保護法に基づく福島県の国民の保護に関する計画により、関係機関と連携して県民への情報提供、避難の指示、救援及び武力攻撃災害への対処等を講じてまいる考えであります。 次に、使用済み燃料の保管につきましては、使用済み燃料プールから取り出した燃料は当面共用プールに保管後、冷却が進んだものから乾式キャスクに収納し、構内のキャスク仮保管設備において保管することとされております。 現在燃料の長期的な健全性の評価及び処理に向けた検討がなされており、将来の処理、保管方法については2020年度ごろに決定するとされております。 次に、汚染水対策につきましては、廃炉安全監視協議会の専門委員や原子力対策監、原子力専門員の専門的知見を活用するとともに、課題に応じた専門家からの助言を得ながら、汚染水問題の解決に向け国及び東京電力に対し必要な意見を申し上げていくとともに、国に対し世界の英知を結集し、前面に立って取り組むよう引き続き求めてまいります。    (企画調整部長近藤貴幸君登壇) ◎企画調整部長(近藤貴幸君) お答えいたします。 原子力政策につきましては、東京電力福島第1原発事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国の責任において検討されるべきものと考えております。 次に、東京電力福島第2原発の廃炉につきましては、これまで国及び東京電力に対し繰り返し求めてきており、昨年10月の経済産業大臣や本年1月の東京電力会長及び社長に対し改めて知事から直接求めたところであります。 引き続き県民の強い思いである県内原発の全基廃炉の実現に向け、あらゆる機会を捉えて求めてまいる考えであります。 次に、再生可能エネルギーのアクションプランにつきましては、太陽光発電を中心に導入を進めた結果、当初の導入見込み量を上回る成果となったところであります。 新プランにおいては、系統接続の保留問題などを踏まえた送電網の強化やエネルギーの地産地消、さらには研究機関等と連携した先端研究の支援強化など、再生可能エネルギーの飛躍的推進に積極的に取り組んでまいる考えであります。 次に、エネルギーの地産地消につきましては、電力系統の負担軽減や非常時の電源確保等の観点から重要であり、新プランにおいては、住宅や防災拠点における自家消費型の設備導入や復興まちづくりにおけるスマートコミュニティーの構築をさらに積極的に推進することとしております。 次に、住宅用太陽光発電につきましては、県民に身近で導入が比較的容易であり、また自家消費を基本とするため電力系統への負荷も少ないことから、再生可能エネルギー導入の推進において重要であると考えております。 このため新年度も規模、単価とも全国トップクラスにある県補助制度を維持し、県民による積極的な導入を促進し、住宅用太陽光発電の普及拡大に取り組んでまいる考えであります。    (生活環境部長長谷川哲也君登壇) ◎生活環境部長(長谷川哲也君) お答えいたします。 省エネルギーの推進につきましては、再生可能エネルギー先駆けの地実現を目指す上でも重要であることから、県民運動として福島議定書事業などに取り組んでいるところであります。 新年度においては、これらに加え、既存住宅の断熱改修を支援するほか、就学前児童から高校生まで幅広い年齢を対象とした新たな啓発事業を実施するなど、省エネルギーの推進に向けさらに積極的に取り組んでまいります。 次に、市町村防災拠点への再生可能エネルギーの導入につきましては、福島県地球温暖化対策等推進基金を活用して、事業期間の終期となる今年度までに市町村、一部事務組合を合わせて58団体に太陽光発電設備等の導入を支援してまいりました。 今後は事業期間を5年間延長し、震災等の影響により設備の導入に着手できなかった避難市町村を中心に引き続き支援してまいります。 次に、イノシシの捕獲状況につきましては、現在把握している捕獲数は本年1月末現在、有害捕獲が約6,800頭、県の補助を受けた狩猟捕獲が約2,200頭、県の直接捕獲が約1,400頭、合計で約1万400頭となっており、昨年同期と比べ約1,000頭多くなっております。 引き続き市町村、関係団体と一体となり、積極的に捕獲に取り組んでまいります。 次に、イノシシの処分につきましては、生態系や生活環境への影響に配慮しながら、地域の実情に応じて埋設や焼却により処分を行っているところであり、県といたしましては処分に係る経費の一部や市町村が整備する専用の焼却施設に対する助成を行っております。 今後とも市町村を初め関係機関と連携し、イノシシの適切な処分に取り組んでまいります。    (保健福祉部長鈴木淳一君登壇) ◎保健福祉部長(鈴木淳一君) お答えいたします。 生活保護世帯における自動車の保有につきましては、原則としては認められておりませんが、障がい者や公共交通機関の利用が著しく困難な地域に居住する方が通院や通勤に使用する場合などについては、生活の維持及び自立の助長に効果が上がるかなどの観点から、タクシーとの比較も含めて個別に判断することとしており、今後とも適正な運用に努めてまいります。    (商工労働部長飯塚俊二君登壇) ◎商工労働部長(飯塚俊二君) お答えいたします。 将来の産業を担う大学生等の奨学金返還支援制度につきましては、大学等への進学期や就職期において多くの若者の県外流出が続いていることから、ロボットや医療機器などの新産業を初めこれからの本県の産業を担う優秀な人材をしっかり確保し、地元への定着を図るために創設するものであります。 次に、最低賃金につきましては、国が法律に基づき労働者の生計費や賃金、さらには企業の生産活動などの経済指標等を考慮して決定することとされております。 また、社会保険料については、地域の医療費の状況や社会保障の給付水準等に応じて国や健康保険組合等が決定するものであり、県といたしましてはそれぞれ尊重すべきものと考えております。 次に、商業者への支援につきましては、これまで東日本大震災からの復旧・復興を進める商店街に対し、中小企業等グループ補助金による支援を行うとともに、中心市街地の活性化を図るため空き店舗の改修費用の一部を助成してきたところであり、今後ともこれらの制度等を活用し、商業者への支援に取り組んでまいります。 次に、原子力災害被災事業者事業再開等支援基金を活用した事業につきましては、官民合同チームの訪問結果を踏まえ昨年末に取りまとめられた新たな支援策のうち、個別事業者への設備投資への補助や需要喚起を図る市町村の取り組みへの支援を行うものであり、県といたしましては、これらを活用しながら被災事業者の事業再開等に取り組んでまいる考えであります。 次に、中小企業等グループ補助金につきましては、国に対して制度の継続を要望し、新年度においても必要な予算を確保したところであり、また、今年度より売り上げを回復するための新分野への進出に対しても支援を拡大したところであります。 今後とも引き続き国に対して制度の継続と柔軟な対応を働きかけてまいる考えであります。    (農林水産部長小野和彦君登壇) ◎農林水産部長(小野和彦君) お答えいたします。 人工林等の利用拡大につきましては、県産材の生産量や一部の樹種の素材価格において震災前の9割を超える水準まで回復しておりますが、さらなる活用に向けて、建築部材としての需要の一層の拡大や木質燃料ボイラーの導入、燃料となる木材チップの製造施設の整備促進等に努めてまいります。 次に、CLTの推進に向けたコストの低減につきましては、木材の生産現場における高性能林業機械の導入による作業の効率化を支援するほか、実際にCLTを利用した建築物の建設を支援し展示することにより、断熱性や工期短縮などの優位性について建築業界への普及啓発に努めてまいる考えであります。 次に、放射性物質対策を踏まえた林業の担い手確保につきましては、放射性物質に関連した研修会の開催、個人線量計を活用した線量管理の徹底、作業者の被曝軽減につながる高性能林業機械の導入支援を行うとともに、新たな担い手として期待される高校生を対象とした見学会において安全な就業環境について説明してまいる考えであります。 次に、福島第1原発から半径20キロメートル圏内の漁場の瓦れき処理につきましては、警戒区域の解除以降、放射性物質汚染対処特措法に基づき国が処理を行うよう求め続けておりますが、国は依然として具体的な方向性を示しておりません。 県といたしましては、今後とも国に対し早急に対処するよう求めてまいります。 次に、漁協の自主検査への支援につきましては、平成23年度に簡易検査機器を小名浜魚市場に3台、相馬原釜市場に2台貸与し、今年度からは検査の迅速化に向けて県漁連に対し非破壊型を含めた検査機器10台の貸与と増員した検査員の人件費への支援を行っております。 次に、試験操業の拡大に向けた支援につきましては、試験操業に必要な漁具の整備への支援に加え、対象魚種や漁業種類等の拡大に向けてモニタリング検査データや調査研究結果の提供に努めております。 あわせて、若手漁業者が取り組む漁業技術の習得研修や漁協女性部の水産加工品づくりへの支援など、今後の本格操業に向けてきめ細かに対応してまいります。 次に、避難地域等における植物工場につきましては、健全な運営や販路の安定確保に向けて現地における技術指導や専門家による販路への助言を行うほか、低コスト化技術や高付加価値で競争力のある品目の紹介などにより、設置後の安定的な経営が図られるよう支援してまいる考えであります。 次に、浜地域農業再生研究センターにつきましては、営農再開で直面するさまざまな課題の迅速な解決に向け、農業者の意向や生産環境の実態などを踏まえ、稲作や野菜、花卉、畜産などそれぞれに精通した研究員を配置するとともに、放射性物質対策や新品目の導入等の技術実証に当たっては、農家の圃場を活用し、そこで得られた研究成果は農林事務所等と連携して速やかに現場に普及してまいります。 次に、福島大学の農学部設置の現状につきましては、昨年4月に同大学が立ち上げた県、JA福島中央会で構成する福島大学農学系人材養成機能のあり方に関する協議会において、本県に求められる農学系人材養成機能について調査検討が行われ、11月に第1次報告書が取りまとめられました。 次に、農作物等被害防止対策への財政支援の強化につきましては、原発事故により避難指示区域を中心にイノシシの生息域が拡大し被害が増加しているという本県の特殊事情を国に強く訴え、必要な予算の確保に努めるとともに、市町村が行う有害捕獲に対して新年度からは補助額を上乗せする考えであります。 次に、鳥獣被害対策実施隊の設置状況につきましては35市町村で設置されておりますが、公務災害時に補償が受けられるなどのメリットを説明し、さらなる設置に向けて働きかけているところです。 また、狩猟者の確保策については、わな猟免許試験の回数の増加、新規免許取得者への講習費用の助成、実施隊員の活動経費などへの支援を行っているところであります。    (土木部長大河原 聡君登壇) ◎土木部長(大河原聡君) お答えいたします。 復興公営住宅における太陽光発電設備につきましては、福島県復興公営住宅整備計画に基づき、全ての団地において、共同住宅の共用部分や集会所の照明等に利用するため設置しております。 次に、市町村における公営住宅の家賃減免につきましては、事業主体である市町村が独自の判断で定める制度であることから、県といたしましては、県の制度の内容や運用状況及びその効果について、担当者会議等を通じて情報提供に努めることとしております。 次に、県営住宅の応募倍率につきましては、昨年度は9.2倍、今年度は1月末時点で7.7倍となっております。 次に、県営住宅の方針につきましては、東日本大震災や原子力災害により住まいを取り巻く環境が大きく変化しており、今後福島県住生活基本計画の見直しの中で社会経済情勢や住宅需要の動向を勘案し、県全体の公営住宅の供給目標量を定め、市町村との役割分担も考慮しながら県営住宅の適切な供給について検討してまいる考えであります。 次に、雇用促進住宅の買い取りによる県営住宅の供給につきましては、建物の老朽化や県営住宅の整備基準を満たさないことなど供給までに多くの課題があることから、実施は困難であると考えております。 次に、市町村が雇用促進住宅を公営住宅とする場合の支援につきましては、改修計画策定や改修工事に関する技術的助言に加え、買い取りや改修工事に必要な財源である国の交付金の確保に取り組むなど、引き続き市町村の要請に応じ支援してまいる考えであります。 次に、若者の単身での県営住宅への入居につきましては、住宅確保に配慮すべき障がい者やDV被害者、生活保護受給者等の入居を認めておりますが、さらに入居要件を緩和することは、より住宅に困窮している世帯の入居機会の減少につながることから、引き続き従来どおり運用してまいりたいと考えております。 次に、住宅のリフォームにつきましては、現在木造住宅の耐震改修と空き家の改修に対して補助を行っております。 さらに、新年度からは親世帯と子供世帯が同居するための2世帯住宅へのリフォームに対して補助を行っていくこととしており、今後ともこれらの利用促進に努めてまいる考えであります。 次に、住宅復興資金利子補給事業の新年度の申請件数の見込みにつきましては、今年度の申請状況等を考慮し30件程度と見込んでおります。 また、対象者への周知につきましては、金融機関や新聞等を通じて行っており、さらに新年度は工務店等へ直接働きかけを行うなど本事業の一層の周知に取り組んでまいります。    (原子力損害対策担当理事成田良洋君登壇) ◎原子力損害対策担当理事(成田良洋君) お答えいたします。 商工業等の営業損害への賠償につきましては、東京電力に対し事業者の立場に立って丁寧かつ柔軟に対応するよう、あらゆる機会を捉えて求めてきたところであります。 引き続き中小企業者の事業の再建につながるよう、商工団体等と連携した原子力損害対策協議会の活動や弁護士による巡回法律相談などに取り組んでまいります。    (こども未来局長尾形淳一君登壇) ◎こども未来局長(尾形淳一君) お答えいたします。 ひとり親家庭の実態につきましては、平成26年6月末現在で、母子世帯及び父子世帯の合計は2万4,094世帯となっており、同年6月に県内に居住する児童扶養手当の受給者を対象に実施した実態調査の結果では、年間収入が300万円未満の世帯は全体の85.1%、親の就業率は86.6%、そのうち非正規雇用は48.7%となっております。 次に、子ども食堂につきましては、県内では会津若松市内で民間支援団体により実施されていることを把握しております。 次に、子ども食堂への支援につきましては、現在国が貧困の連鎖の解消を目的として子供の未来応援国民運動を展開する中で民間企業などから寄附を募り、具体的な支援を行うための基金を造成し、子ども食堂を初め生活支援や学習支援などを行う民間団体等を支援することとしていることから、その動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、ひきこもりの実態につきましては、ひきこもり支援センターの平成26年度の相談活動の実績によれば、相談者数は104人となっており、ひきこもりの要因は、受験、就職活動の失敗やいじめによる不登校などさまざまであり、ひきこもりが始まった年齢の平均は19.6歳で、ひきこもりの期間は平均10年7カ月となっております。 次に、ひきこもり支援センターの強化につきましては、相談しやすい環境を整えるため、今年度から相談員を2名増員し4名体制としたほか、福島市のセンターに加え郡山市にもサテライトを設置する経費について予算措置を講じているところであります。 次に、ひきこもり支援のための相談体制の構築につきましては、これまでも市町村に対してハローワークや教育事務所などの関係機関が一堂に会する機会を通し、ひきこもりの若者の実態や支援に関する情報の共有を図るとともに、実践的な支援方法を学ぶための研修会などを開催してきたところであります。 今後とも市町村が住民からの相談に適切に対応できるよう支援に努めてまいります。    (教育長杉 昭重君登壇) ◎教育長(杉昭重君) お答えいたします。 準要保護児童生徒の認定につきましては、学校教育法に基づき、援助の実施主体である市町村の教育委員会が認定の基準を定めるものであり、保護者の経済的状況のほか、児童生徒の目常の生活状況や家庭の諸事情等に応じて判断できる基準を定めているところであります。 次に、公立小中高等学校における学校司書の配置割合につきましては、平成27年4月現在、公立小学校は36.8%、中学校は28.7%、県立高等学校は67.4%となっております。 次に、市町村立小中学校における学校司書につきましては、国による地方財政措置について市町村教育委員会に周知するとともに、学校司書を活用した効果的な取り組み事例についての研修を実施するなど配置が進むよう取り組んでまいります。 次に、公立図書館の運営につきましては、県立図書館は中長期の継続した調査研究や県内市町村立図書館等への支援などの機能が求められることから、県による運営を行っております。 また、市町村立図書館につきましては、設置主体である各市町村が地域の実情に即し、運営方法について判断しているものと考えております。 次に、県立学校の図書購入費を含めた維持管理経費につきましては、各学校の規模や設備の状況等を踏まえるとともに、要望等を調査した上で必要額の確保に努めているところであり、今後とも学校を取り巻くさまざまな動向にも配慮しながら予算の適切な配分に努めてまいる考えであります。 次に、給付型奨学金制度の創設につきましては、限られた財源を有効に活用し、より多くの生徒の修学を支援する上で、給付型よりも貸与型が適していると考えております。 ◆26番(宮川えみ子君) 再質問をさせていただきます。 知事に地方創生と人口問題についてです。 大震災、原発事故で落ち込んだ福島県の出生率は事故前程度に回復してきました。子供の避難がまだ2万2,000人ですから、まだまだ特別な努力が必要だと思います。 少子化は子育て支援や教育、社会保障に予算が回らないこと、若者の2人に1人が非正規、不安定、低賃金で働いていること、また、正社員も男女ともの長時間労働で、もう1人子供が欲しいと思っても阻まれていることなどいろいろな要因があると思います。 しかし、このような中でも若い世代がふえているところがあります。知事もいろいろおっしゃっておりました。県内でも大玉村のような自治体もあります。 私は、全体の質問のかなりの部分で、若い人が結婚しやすく、そして子育てしやすくというふうな点で力を入れて質問をしてきたわけなのですが、やはり住宅の問題、それから子育ての問題、そういうものもあると思います。 それからあと、国に対しても言うべきことは言わなくてはならないと思うのです。例えば賃金の格差が大きいとか、中小企業を支援してちゃんと社会保険があるような勤めができるようにとか、そういうことも言うべきことは国に言っていかなくてはならないかなというふうに思うのですが、何かその辺は余り全庁が一致したような答弁ではないような気もしたのです。 それで、全庁が一致した多彩な取り組みが求められていると思いますが、知事に再度質問させていただきます。 それから、教育長に再質問させていただきます。 就学援助制度、準要保護についてですが、スクールソーシャルワーカーの方からお聞きしました。お母さんが外国の方で、文書そのものはもちろん、言葉も通じにくい家庭も結構あるそうです。 それから、こういう制度がありますよと言っても、文書そのものがなかなか読まれない家庭も多い。あとは、親と同居していて生活は賄っているのだけれども、住宅費までは捻出できないというふうなところなのだけれども、該当しないとかいろいろなのです。 市町村の制度であっても、同じ県民なのですから、一律、こういうふうなことでなくても、やはり基準を示すことは必要なのではないかなと思いますので、再度質問をさせていただきます。 それから、土木部長に再質問です。 市町村の公営住宅家賃の減免ですが、機会があればそういうふうな説明をしたりということですけれども、県の家賃の減免制度は低所得者用の減免というのがあって非常に役割を果たしている。市町村はなかなかそういうふうにはなっていないので、かなり厳しい。ぜひ積極的に市町村の担当者にいろんなところで働きかけをしていただきたいのですが、その辺をもう一度お願いいたします。 それから、同じく土木部長ですが、若者のひとり暮らし入居のことなのですけれども、全体的に少ないから若者の入居まで入れてしまうと絶対量が足りないというような答弁かなというふうに思ったのですが、それで私は前段公営住宅の建設という方針にしてもらえないかというふうな質問をしたわけなのですが、やはり結婚するには住居ですよね。 いつまでも親と一緒にいれば彼女もなかなかできにくいという話をいっぱい聞いております。ぜひそういう点では若い人の入居が可能になるような安い住宅、そういうふうなところも加味していくべきだと思うのですが、再度土木部長に質問いたします。 ◎知事(内堀雅雄君) 再質問にお答えいたします。 昨年末策定をしましたふくしま創生総合戦略においては、7つの挑戦という施策を掲げております。この中で、しごとをつくる、ひとの流れを生み出す、また若者たちが結婚し、子供を生み育てやすい環境をつくる等々の施策を掲げているところでございます。こういった施策を意欲のある市町村、関係企業等とも連携をしながら総合的に進めてまいります。 またあわせて、国との関係も重要であります。福島県の場合は、原子力災害を克服しながらこの地方創生を進めていかなければいけません。国に対して制度面、予算面等で申し上げるべきことはしっかり申し上げ、そういった形をつくりながら福島県全体の地方創生を進めてまいります。 ◎土木部長(大河原聡君) 再質問にお答えいたします。 市町村における公営住宅の家賃減免についてであります。市町村においては、減免後の最低家賃を一律にしている例、あるいは被災者に限定している例などまちまちでございます。県において、低収入、あるいは病気、災害、特別な事情によって家賃減免を行っておりますので、この辺の効果について、担当者会議等を通じて情報提供に努めてまいりたいと考えております。 次に、若者の単身での県営住宅の入居についてでございますが、単身については、現行制度では入居を認めておりません。 一方で、他の優先入居、高齢者、障がい者、あるいは多子世帯、母子世帯、加えて自主避難者への優先入居もこれから行うということでございますので、その辺のバランスをよく考えた上で、入居の減少につながること、そういったことを考慮しながら引き続き従来どおり運用してまいりたいと考えております。 ◎教育長(杉昭重君) 再質問にお答えいたします。 準要保護者の認定について県教委として基準を示すべきというふうな御質問でございますが、これにつきましては平成26年4月に文部科学省が全国の市町村にアンケート調査を実施しました。 その結果によりますと、認定基準を従来どおりとする市町村、また、児童生徒の家庭の事情等も含めて総合的に判断しているという市町村もあります。ですから、認定に当たっては、各市町村において適切に実施されているというふうに考えております。 ◆26番(宮川えみ子君) 再々質問をさせていただきます。 まず、土木部長にですが、優先入居の問題で、若者の単身の入居ですが、絶対的な枠がないとそういうことになりますよね。一番先の質問で8倍、9倍という競争ですから、私の知り合いでは2年間抽せんし続けて入れないという状況なのです。 そういうことなので、検討はされるような感じなのですけれども、雇用促進住宅で確保できないかなとか、私もいろいろ考えたのですが、やはり本当に必要だと。あと、政策上も必要だというふうなことは結構一致していると思うので、ぜひそういう点でつくらないという方針ではなく、やはり方針を十分つくる方向で考えていただきたいと思うのですが、再質問でございます。 それから、農林水産部長に再質問ですが、イノシシ対策ですけれども、去る1月末に、いわきの内郷にある国宝白水阿弥陀堂の脇にある立派な公園なのですけれども、トラクターで掘り起こされたような状態になってしまったのです。本当に大変な、こんなふうになるものかと思うような状況なのです。これから農作業に当たる方々も戦々恐々なのです。 イノシシの管理計画の初年度なので、昨年よりは1,000頭ふえたというのですが、まだまだの感じはするのです。だから、本当にこういうスタートで5年間でこの計画ができるのかなと心配なのですが、その辺を来年度はどのように進めていくのか、その目標達成に対してどんなふうになっていくか再度お聞きしたいと思います。 それから、こども未来局長に対する再質問ですが、ひきこもり問題です。不就労や引きこもってた人たちに…… ○副議長(満山喜一君) 発言者に申し上げます。答弁を求める者を明確に願いたい。 ◆26番(宮川えみ子君) こども未来局長に再質問です。 ○副議長(満山喜一君) イノシシの件です。 ◆26番(宮川えみ子君) イノシシは農林水産部長です。言いませんでしたか。 ○副議長(満山喜一君) 生環ではないですか。 ◆26番(宮川えみ子君) 生活環境部長です。失礼しました。管理計画ですのでちょっとまたがっているのですけれども、管理計画に絞って生活環境部長にお尋ねします。失礼します。イノシシ問題はそういうことです。 それから、こども未来局長に再質問です。ひきこもり問題についてです。 不就労や引きこもっていた人たちに次々と社会参加してもらうことに秋田県の藤里町では成功しているのです。全国の注目を集めているのですが、ここの社会福祉協議会では、地域で孤立している人たちを訪問して情報提供し、きめ細かな寄り添い、伴走型と言っていますけれども、そういう就労支援を行って、支援を始めて実に5年で8割の人がひきこもりから脱しているのです。 それで、ひきこもり卒業生というふうな言い方をしていますが、社会福祉協議会と協力して特産品を開発したり、まちおこしの原動力になっているという、本当にすばらしい取り組みだと思うのです。 若者がもったいないなと、本当に親も本人も苦しいと思うのです。だから、そういうふうなことをいろいろ研究していただいて、予算の確保も含めた本格的な取り組みが県でも市町村でも進んでいくように支援をしてほしいと思うのですが、再度質問いたします。 ◎生活環境部長(長谷川哲也君) 再質問にお答えいたします。 イノシシの捕獲についてでございます。今年度から導入いたしました県の直接捕獲につきましては、特に1月から集中的に捕獲を実施しているところであります。 新年度につきましては、年度の早い時期から集中的に捕獲を実施する時期を設定するための調整を進めながら、また、わななどの増設も含めまして、関係機関と一体となってさらなる捕獲に取り組んでまいる考えであります。 ◎土木部長(大河原聡君) 再質問にお答えいたします。 公営住宅、県営住宅の若者単身の入居についてでございますが、さらに入居要件を緩和することは、繰り返しの答弁になりますが、より住宅に困窮している世帯の入居機会の減少につながることから、引き続き従来どおりの運用とさせていただきたいと考えております。 ◎こども未来局長(尾形淳一君) 再質問にお答えいたします。 ひきこもりの支援についてでございます。ひきこもりの支援につきましては、先ほど御答弁申し上げましたが、ひきこもり支援センターを核といたしまして、関係者との連携をより緊密に保ちまして、ひきこもりの方が社会に出るためのステップとして、まずは外に出て社会との接点を持つための居場所づくり、こういった施策を丁寧に展開してまいりたいと考えております。 ○副議長(満山喜一君) これをもって、宮川えみ子君の質問を終わります。 △休会の件 ○副議長(満山喜一君) 次に、日程第3、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。明3月1日は、議事都合のため休会とすることに御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(満山喜一君) 御異議ないと認めます。よって、明3月1日は議事都合のため休会とすることに決しました。 本日は、以上をもって議事を終わります。 明3月1日は議事都合のため休会、2日は定刻より会議を開きます。 議事日程は、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第185号までに対する質疑であります。 これをもって、散会いたします。    午後4時37分散会...